2023年5月25日、長野県中野市江部で発生した立てこもり事件は、住民女性2人と警察官2人の計4人が犠牲となった重大事件です。殺人などの罪に問われた青木政憲被告は、2025年10月14日に長野地方裁判所の裁判員裁判で死刑判決を受けました。その後、弁護側が控訴し、2026年11月現在も東京高裁での控訴審が注目されています。
事件当日の発生から翌朝の逮捕までの経緯、青木政憲被告が語った犯行動機、精神鑑定と刑事責任能力をめぐる裁判の争点、父親の青木正道氏との関係、そして事件を受けて改正された銃刀法まで、判決文や警察庁の公表資料、報道各社の取材内容をもとに整理します。
【事件の全体像】2023年5月25日、長野県中野市江部で何が起きたのか
事件が発生したのは、長野県北部に位置する中野市江部です。2023年5月25日の夕方、地域住民が生活する場所で突然、刃物による殺傷事件が発生しました。
その後、通報を受けて現場に到着した警察官2人も襲われ、最終的に女性2人と警察官2人の計4人が死亡しました。
事件を起こしたのは、当時31歳だった青木政憲被告です。青木被告は事件後、自宅に立てこもり、翌26日早朝に投降して身柄を確保されました。
犠牲となった4人の被害者
この事件で亡くなったのは、近隣住民の女性2人と中野警察署に所属する警察官2人です。
- 竹内靖子さん(当時70歳):近所を散歩していた住民女性。
- 村上幸枝さん(当時66歳):竹内さんと同じく、事件当時に散歩していた住民女性。
- 池内卓夫さん(当時61歳):中野警察署に所属していた警察官。
- 玉井良樹さん(当時46歳):中野警察署に所属していた警察官。
竹内さんと村上さんは、日常の散歩中に事件に巻き込まれました。警察官2人は、女性が襲われたとの通報を受けて現場に向かい、職務を遂行する中で命を落としました。
池内さんと玉井さんは、殉職後に2階級特進しています。
長野放送などの報道によると、事件から3年を迎えた2026年5月25日にも、現場には花を手向ける人々が訪れました。犠牲者の遺族からは、家族を突然失った悲しみとともに、控訴審の早期開始を願う声が伝えられています。
事件の呼び方と発生場所
この事件は、報道によって「長野県中野市立てこもり事件」「中野市4人殺害事件」「長野4人殺害事件」「中野市江部立てこもり事件」などと呼ばれています。
いずれも2023年5月25日に中野市江部で発生した同一の事件を指しています。
単なる立てこもり事件ではなく、住民2人と警察官2人が殺害された事件であることから、刑事司法だけでなく、地域の安全や銃器管理のあり方にも大きな影響を与えました。
【発生から逮捕まで】事件当日の時系列と長野県警の対応
事件発生から逮捕までは、約12時間に及ぶ緊迫した状況が続きました。
長野県警による捜査や当時の報道、長野地方裁判所の判決文を整理すると、事件の大まかな経過は次のとおりです。
2023年5月25日:女性2人の殺害と警察官への襲撃
5月25日午後4時20分ごろ、中野市江部で青木被告が散歩中の女性2人を襲い、死亡させました。
午後4時26分ごろには「男が女性を刺した」という内容の110番通報が入りました。
通報を受けて現場に到着した中野警察署の警察官2人も、青木被告による攻撃を受けて死亡しました。
事件は一気に重大な立てこもり事案へと発展します。
同日夕方から夜:自宅への立てこもり
青木被告は事件後、自宅に立てこもりました。
自宅には母親とおばがいましたが、2人はその後、建物から離れて警察に保護されています。
長野県警は中野警察署に捜査本部を設置し、約100人態勢で対応しました。また、立てこもり事案への対処に詳しい警視庁の特殊班も現地に派遣されました。
周辺住民には不要不急の外出を控えるよう呼びかけが行われ、周辺道路も規制されました。
2023年5月26日早朝:投降と逮捕
立てこもりは翌26日未明まで続きました。
長野地方裁判所の判決文によると、青木被告は午前4時37分ごろに自宅から出て投降。その後、任意同行に応じ、殺人の疑いで逮捕されました。
事件発生から身柄確保までの間、地域住民は長時間にわたって不安な状況に置かれました。
逮捕後の捜査と起訴
逮捕後、捜査機関は青木被告の犯行動機や事件当時の精神状態、刑事責任能力について調べました。
2023年8月には精神鑑定を目的とする鑑定留置が始まり、同年11月16日、長野地方検察庁は殺人と銃刀法違反の罪で青木被告を起訴しました。
事件発生から約2年4か月後の2025年9月4日、ようやく裁判員裁判の初公判が開かれました。
【犯行動機と事件の背景】青木政憲被告はなぜ4人を殺害したのか
中野市4人殺害事件の核心にあるのが、青木政憲被告の犯行動機と精神状態です。
事件後の捜査や公判で明らかになったのは、被告が近隣住民の女性2人から悪口を言われているという認識を持っていたことでした。
「ぼっち」「きもい」と言われているという認識
2025年の裁判で検察側が示した捜査資料や判決文によると、青木被告は以前から、近所を散歩する女性2人に「ぼっち」「きもい」などと言われていると感じていました。
青木被告は取り調べ段階の供述で、女性2人から悪口を言われていると思い、怒りを募らせていたという趣旨の説明をしていました。
一方、裁判では、この認識が現実に女性2人から発せられた言葉だったのか、それとも被告の精神症状による妄想だったのかが重要な論点になりました。
長野地裁が採用した起訴前の精神鑑定では、青木被告には妄想症の症状があり、女性2人から悪口を言われているという妄想が認められていました。
大学時代から続いていた精神的な問題
2025年10月14日の判決文には、青木被告の事件前の生活状況についても詳しく記されています。
青木被告は東京都内の大学に進学した後、周囲から悪口を言われている、ネット上でいじめられていると感じるようになったとされています。
その後、長野県中野市に戻り、父親の勧めもあって果樹園の仕事に携わりました。2016年ごろからは自ら農園を運営し、ぶどう栽培などに取り組んでいました。
加えて、家族が経営するジェラート店でも製造や店舗運営に関わっていました。
判決文では、仕事に取り組む一方、他人との接触を強く避ける様子なども認定されています。
精神症状が長期間続いていたにもかかわらず、十分な治療につながっていなかったことも、裁判で検討された背景の一つです。
精神疾患があれば刑事責任を問われないのか
ここで重要になるのが、精神疾患の存在と刑事責任能力は同じ問題ではないという点です。
刑法上、心神喪失と認められれば処罰されず、心神耗弱と認められれば刑が減軽されます。一方、精神疾患があっても、善悪を判断する能力や、その判断に従って行動する能力が保たれていたと認定されれば、完全責任能力が認められる場合があります。
青木被告の裁判では、まさにこの区別が争われました。
検察側は、妄想症の症状があったとしても、犯行を決定し実行した判断能力は保たれていたと主張しました。
弁護側は、精神疾患の強い影響によって善悪の判断や行動制御が著しく困難な心神耗弱状態だったとして、死刑を回避するよう求めました。
長野地裁は最終的に検察側の主張を採用し、完全責任能力を認定しました。
青木政憲被告の犯行動機についての裁判所の判断
判決文では、女性2人への犯行について、悪口を言われているという妄想が動機形成の要因になったと認めています。
しかし、裁判所は、その妄想が実際に攻撃するかどうか、どのような行動を取るかまで直接決定していたわけではないと判断しました。
また、警察官2人への犯行については、警察官に対抗しようという考えが背景にあり、女性2人に関する妄想が直接影響したものではないと認定しました。
つまり、判決は精神症状の存在を否定したわけではありません。その症状が犯行にどこまで影響したのかを分けて検討した結果、刑事責任能力は保たれていたと判断したのです。
【関係者・人物相関】青木政憲被告と4人の犠牲者、青木正道氏の関係
事件を正確に理解するには、被告と犠牲者、家族、司法関係者の立場を整理することが欠かせません。
特に、当時の中野市議会議長だった青木正道氏と青木被告の関係は、事件発生直後から大きく報道されました。
| 人物・組織 | 事件との関係 | 確認されている事実 |
|---|---|---|
| 青木政憲被告 | 事件の被告人 | 殺人などの罪で起訴。一審で死刑判決を受け、控訴中。 |
| 竹内靖子さん | 被害者 | 当時70歳。散歩中に殺害された住民女性。 |
| 村上幸枝さん | 被害者 | 当時66歳。竹内さんと同じく事件で犠牲となった住民女性。 |
| 池内卓夫さん | 被害者 | 当時61歳。中野警察署に所属していた警察官。 |
| 玉井良樹さん | 被害者 | 当時46歳。中野警察署に所属していた警察官。 |
| 青木正道氏 | 被告の父親 | 事件当時の中野市議会議長。2023年5月26日に議員辞職。 |
| 長野地方裁判所 | 一審の裁判所 | 2025年10月14日に青木被告へ死刑判決。 |
| 東京高等裁判所 | 控訴審の裁判所 | 弁護側の控訴を受けた審理の対象。 |
| 長野県警・中野警察署 | 捜査・警察対応 | 事件の初動対応、捜査、警察官の安全対策に関係。 |
青木正道氏は当時の中野市議会議長
青木正道氏は、青木政憲被告の父親であり、事件当時、中野市議会議長を務めていました。
事件発生翌日の2023年5月26日、青木正道氏は市議会議員の辞職願を提出し、副議長によって許可されました。
当時の報道によると、市は辞職願の提出と許可について公表しています。
この事実は事件の社会的影響を理解するうえで重要ですが、父親の議会での立場と、被告本人の犯行動機や刑事責任は別の問題です。家族の政治的立場を理由に事件の背景を推測することはできません。
4人の犠牲者と遺族が抱える問題
2026年5月25日、事件から3年を迎えた際、長野放送は女性2人の遺族のコメントを報じました。
遺族は、愛する妻や母親を突然失った悲しみが今も続いていること、そして控訴審の日程が決まっていない状況に対して、一日も早い審理開始を望んでいることを伝えています。
事件の影響は判決だけで終わるものではありません。遺族にとっては、事件前の日常を取り戻すことのできない現実が続いています。
【裁判の争点と死刑判決】2025年の判決から2026年の控訴審まで
青木政憲被告の裁判は、2025年9月4日に長野地方裁判所で始まりました。
最大の争点は、事件当時の刑事責任能力と、それに基づく適切な量刑でした。
2025年9月4日:初公判で被告は黙秘
初公判で青木被告は、起訴内容について問われると「黙秘します」と述べました。
その後の被告人質問でも、検察側と弁護側双方の質問に対して黙秘を続けました。
検察側は、被告には妄想症の症状があったものの、善悪を判断して行動をコントロールする能力は維持されていたと主張しました。
一方、弁護側は精神疾患の影響を重視し、心神耗弱状態だったと訴えました。
2025年9月24日:検察側が死刑を求刑
検察側は、被害者が4人に及ぶこと、犯行の重大性、犯行時の責任能力などを踏まえ、青木被告に死刑を求刑しました。
弁護側は精神疾患による刑事責任能力の低下を主張し、死刑を回避して無期懲役とするよう求めました。
双方の主張は、精神鑑定の評価と量刑判断をめぐって大きく対立しました。
2025年10月14日:長野地裁が死刑判決
長野地裁は2025年10月14日、青木政憲被告に対して検察側の求刑どおり死刑を言い渡しました。
判決では、起訴前に実施された精神鑑定の信用性を認め、被告には妄想症の症状があったものの、犯行当時の判断能力と行動制御能力は保たれていたと判断しました。
「被告人は本件当時完全責任能力を有していたものと認められる。」
これは長野地方裁判所の判決文に記された責任能力についての判断です。
裁判所は、精神疾患が女性2人への犯行の動機形成に影響したことを認めながらも、4人を殺害した結果の重大性や犯行態様などを総合的に考慮しました。
また、被告の精神症状や治療歴、更生可能性など、被告にとって有利に考慮すべき事情も検討しています。
それでも死刑を回避すべき事情は認められないとして、極めて重い判決を下しました。
2025年10月27日:弁護側が控訴
判決後、青木被告の弁護側は判決を不服として控訴しました。
控訴の中心となるのは、精神疾患による心神耗弱の有無と、それに基づく刑事責任能力の評価です。
一審では完全責任能力が認められましたが、弁護側はその判断を争う姿勢を示しています。
2026年11月現在:青木政憲被告の控訴審はどうなっている?
2026年の最新状況で最も重要なのは、死刑判決がまだ確定していないという点です。
2026年5月25日の長野放送の報道では、被告側の控訴後も控訴審の日程は決まっていないと伝えられました。
加えて、2026年10月23日更新の事件記録データベースでも、青木被告の事件は東京高裁で審理を待っている状態とされています。
したがって、2026年11月2日時点で整理できる状況は次のとおりです。
- 2025年10月14日:長野地裁が死刑判決。
- 2025年10月27日:弁護側が控訴。
- 2026年5月25日:控訴審の日程が未定と報道。
- 2026年10月23日:事件記録上も東京高裁で審理待ち。
- 2026年11月2日:死刑判決は未確定。
今後の控訴審では、一審で認定された責任能力について改めて争われる可能性があります。高裁が一審の判断を維持するのか、見直すのかが注目点です。
なお、一審の死刑判決と死刑の確定は異なります。現在の段階で「青木政憲被告の死刑が確定した」と表現するのは正確ではありません。
【事件が変えた社会制度】改正銃刀法と長野県警の安全対策
中野市4人殺害事件は、刑事裁判だけでなく、日本の銃器管理制度にも影響を及ぼしました。
特に注目されたのが、事件で使用されたハーフライフル銃の所持許可制度です。
ハーフライフル銃とは何か
ハーフライフル銃は、銃身内部の一部に弾丸を安定させるための腔旋を備えた猟銃です。
従来の銃刀法では、ライフル銃とは異なる分類で扱われており、所持許可の基準にも違いがありました。
今回の事件では、所持許可を受けたハーフライフル銃が使用されたことから、許可制度のあり方が国会でも議論されました。
2024年の改正銃刀法で何が変わったのか
2024年6月7日、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律が成立しました。
この改正は、安倍晋三元首相銃撃事件などを踏まえた銃器対策とともに、中野市の事件で明らかになったハーフライフル銃の危険性も背景にしています。
主な変更点は以下のとおりです。
- ハーフライフル銃の規制強化:一定の腔旋を備えた猟銃をライフル銃の定義に含め、より厳格な所持許可基準を適用。
- 長期間使用されていない猟銃への対応:許可用途に2年以上使用していない猟銃について、所持許可を取り消せる要件に変更。従来の3年から短縮された。
- 銃器関連の罰則強化:銃砲等の発射や所持に関する規制を強化。
- 不適切な情報発信への対策:銃砲の不法所持などを公然とあおる行為に対する罰則を整備。
ハーフライフル銃に関する新しい規制などは、2025年3月1日までに施行されました。
ただし、改正はハーフライフル銃の一律禁止ではありません。適正な狩猟や鳥獣被害対策に必要な用途にも配慮しながら、所持許可の要件を厳格化する制度変更です。
警察庁の令和6年版警察白書でも、中野市の事件を通じて、射程距離の長いハーフライフル銃が犯罪に悪用された場合の危険性が明らかになったと説明されています。
長野県警が進めた警察官の安全対策
事件では、住民を守るために現場へ向かった警察官2人が殉職しました。
これを受け、長野県警は現場警察官の安全対策を強化しました。
2024年2月の長野県議会会議録によると、県警本部長は、主に次の3点を強化していると説明しています。
- 訓練の強化:刃物や銃器などを使用した襲撃を含め、さまざまな事態を想定した訓練と教養の実施。
- 装備と通信指令の強化:防弾盾などの対策用装備の充実と、通信指令体制の強化。
- 交番の安全対策:地域警察官が勤務する施設の安全性向上。
また、事件翌日の2023年5月26日、国家公安委員会委員長は記者会見で、当時までの報告では銃の所持許可手続きに問題があったとの報告は受けていないと説明しました。そのうえで、長野県警が事件の経緯や許可状況を改めて確認していると述べています。
この説明からも分かるように、銃器管理の問題は単純に許可の有無だけで判断できるものではありません。許可後の管理、定期的な確認、危険性を把握する仕組み、現場での安全確保など、複数の観点から検証する必要があります。
事件の教訓は銃規制だけではない
中野市の事件を銃刀法の改正だけで説明することはできません。
事件には、精神症状の長期化、周囲との関係、医療への接続、猟銃の管理、警察の現場対応など、異なる問題が重なっていました。
一つの制度を厳しくすれば、同種の事件をすべて防げるという単純な構造ではありません。
重要なのは、銃器を適切に管理することに加え、深刻な精神的問題を抱えた人が必要な支援につながる仕組みや、危険を察知した際に関係機関が適切に連携できる体制を整えることです。
【よくある質問】長野県中野市江部の立てこもり事件に関するFAQ
Q1:長野県中野市の立てこもり事件はいつ発生しましたか?
A1:2023年5月25日です。長野県中野市江部で住民女性2人と警察官2人が殺害され、青木政憲被告は翌26日早朝に投降し、逮捕されました。
Q2:青木政憲被告には死刑判決が確定していますか?
A2:確定していません。2025年10月14日に長野地裁で死刑判決が言い渡されましたが、同月27日に弁護側が控訴しています。2026年11月現在、控訴審の開始日が公表されたとは確認できず、死刑は未確定です。
Q3:青木政憲被告の犯行動機は何だったのでしょうか?
A3:裁判で明らかになった内容によると、被告は近隣女性2人から「ぼっち」などと悪口を言われているという妄想を抱いており、それが女性2人への犯行の動機形成に影響したと認定されました。警察官2人への犯行については、警察官に対抗しようとする考えがあったと裁判所は判断しています。
Q4:青木正道氏と青木政憲被告の関係は何ですか?
A4:青木正道氏は青木政憲被告の父親です。事件当時は中野市議会議長を務めていましたが、2023年5月26日に議員を辞職しました。
【プロの結論】中野市4人殺害事件から読み解く司法と社会の課題
長野県中野市江部で発生した立てこもり事件は、4人の命が奪われた重大事件であり、2026年11月現在も司法手続きが続いています。
青木政憲被告には2025年10月に死刑判決が言い渡されました。しかし、弁護側の控訴によって刑事責任能力をめぐる争いは続いており、判決はまだ確定していません。
事件を理解するうえで押さえておきたい要点は3つあります。
- 第一に、精神疾患の存在と刑事責任能力は別の判断であること。裁判所は精神症状を認めたうえで、犯行当時の判断能力と行動制御能力を評価しました。
- 第二に、一審判決と確定判決を混同しないこと。青木被告には死刑判決が出ていますが、控訴中であり、今後の司法判断が残されています。
- 第三に、事件後の制度変更にも目を向けること。改正銃刀法や長野県警の安全対策は、事件の教訓を社会制度に反映したものです。
特に忘れてはならないのは、事件の中心にいたのは、日常生活を送っていた4人の犠牲者と、その突然の死に直面した遺族だということです。
事件から3年が経過しても、遺族の悲しみは続いています。控訴審が始まり、司法の判断が示されるまでには、なお時間がかかる可能性があります。
今後注目すべきなのは、東京高裁が刑事責任能力をどのように評価するのか、そして一審の死刑判決が維持されるのかという点です。
中野市4人殺害事件は、個人の刑事責任を問う裁判であると同時に、銃器管理、精神医療、地域の安全、犯罪被害者支援のあり方を考える重要な事件として、今後も検証される必要があります。
主な参照資料
- 長野地方裁判所「令和5年(わ)第164号」2025年10月14日判決文
- 警察庁「令和6年版警察白書」
- 国家公安委員会委員長記者会見(2023年5月26日)
- 長野県議会第433回定例会会議録(2024年2月)
- 長野放送・NBS(2026年5月25日、事件発生から3年の報道)
- 2026年10月23日更新の事件記録データベース