ホーム IT・ガジェット ソリマチ株式会社とは?1972年設立の歩みと主力製品、2026年のAI・DX戦略を徹底解説

ソリマチ株式会社とは?1972年設立の歩みと主力製品、2026年のAI・DX戦略を徹底解説

葛西 亮介 葛西 亮介 • 更新: • 公開: • 読了約 27 分
目次

ソリマチ株式会社は、会計・給与・販売管理ソフトを中心に、中小企業、個人事業主、農業経営者、会計事務所などの業務を支援する日本のソフトウェア企業だ。1972年10月に新潟県長岡市で設立され、現在は「会計王」「みんなの青色申告」「農業簿記」などの製品ブランドで知られている。

代表取締役社長は反町秀樹氏。本社機能は東京都千代田区の東京本社と新潟県長岡市の新潟本社に置かれている。創業以来の会計・税務分野の知見を基盤に、農業会計、クラウドサービス、AIによる業務自動化へと事業領域を広げてきた。

【会社概要】ソリマチ株式会社はどんな会社?代表者・本社・事業内容を解説

ソリマチ株式会社

ソリマチ株式会社を理解するうえで押さえておきたいのは、単なる会計ソフトメーカーではないという点だ。同社は、会計処理を出発点として、給与計算、販売・在庫管理、農業経営支援、会計事務所向けクラウドサービスまで幅広く手掛けている。

ソリマチ株式会社の基本プロフィール

公式会社概要に掲載されている主な情報は次のとおり。

  • 会社名:ソリマチ株式会社
  • 設立:1972年10月
  • 資本金:4,950万円
  • 代表者:代表取締役社長 反町秀樹
  • 東京本社:東京都千代田区大手町1丁目9-7 大手町フィナンシャルシティサウスタワー 東京金融ビレッジ5階
  • 新潟本社:新潟県長岡市表町1-4-24 ソリマチ第3ビル
  • 主な事業:パッケージソフト・クラウドサービスの企画、開発、販売、受託システム開発、セミナー運営、コンサルティング
  • 海外拠点:ベトナム・ホーチミン

公式会社概要には、従業員数として国内205名、海外100名という情報も掲載されている。

本社所在地については、長岡市だけ、あるいは東京都だけを記載した情報も見られるが、公式サイトでは東京本社と新潟本社の双方を明示している。長岡市は同社の設立地であり、現在も開発拠点を置く重要な事業基盤だ。

代表取締役社長・反町秀樹氏とは?

ソリマチ株式会社を率いる反町秀樹氏は、1965年に新潟県長岡市で生まれた。税理士およびITコーディネータの資格を持ち、監査法人KPMGピートマーウィックの国際税務部を経て、1994年にソリマチ情報センター(現・ソリマチ)の取締役に就任した。

その後、2003年に代表取締役社長、2009年にソリマチテックグループ代表に就任している。

反町氏の経歴で特徴的なのは、税務・会計の専門知識とソフトウェア開発事業の双方に関わってきたことだ。

公式の代表メッセージでは、父親が創業した長岡市の反町税務会計事務所を継ぐ道に進んだ経緯も紹介されている。会計事務所の現場を知る立場から、会計業務を効率化するソフトウェアの開発に携わってきたことが、現在の製品群につながっている。

同社の事業を読み解く際には、経営者自身が会計実務を理解しているという点も見逃せない。利用者の経理業務や税務申告の負担を減らすという方向性が、製品開発の中心に置かれている。

【沿革・歴史】1972年の設立から会計王の誕生、現在までの転換点

ソリマチ株式会社の歴史は、長岡市の会計事務所を母体とする事業にさかのぼる。現在の会社が設立されたのは1972年だが、その背景には会計・税務サービスを通じて地域の企業を支えてきた歴史がある。

1972年に長岡市で設立

公式沿革によると、1972年10月、旧社名を第一電子計算センターとするソリマチ株式会社が、株式会社ソリマチコンピューターサービス(旧・反町コンピューター会計事務所)から分社され、長岡市に設立された。

その後、1980年代にはソフトウェア事業を拡大。特に農業分野への進出は早く、1986年には農業用ソフトの「稲作生育診断システム」や「農業経営簿記」を発売している。

この時期から、一般企業の会計だけではなく、農業という専門性の高い分野に対応する姿勢が明確になっていた。

1990年代に会計・給与・販売管理へ拡大

1991年には財務、販売、顧客管理などのビジネスソフト分野に進出。1995年には現在の社名であるソリマチ株式会社へ変更するとともに、主力ブランドとなる「会計王」を発売した。

さらに1996年には「給料王」、1997年には「販売王」を発売。会計だけでなく、企業の日常的なバックオフィス業務を幅広くカバーする製品体系を構築していった。

2000年代以降はクラウド・農業支援へ

2000年には東京本部を東京本社に昇格させ、新潟本社との2本社体制に移行した。

2003年には「会計王5シリーズ」や農業簿記シリーズを発売。2000年代後半にはネットワーク版製品や海外開発体制も拡充している。

2013年には農業クラウドサービス「フェースファーム生産履歴」の提供を開始し、農業機械メーカーのヤンマーとの連携も発表した。

2021年にはフィンテック事業会社の会計バンク株式会社を設立。会計ソフトの提供にとどまらず、金融データを活用した中小企業支援にも事業を広げている。

ソリマチ株式会社の主な沿革

年代 主な出来事 事業上の意味
1972年 長岡市に会社設立 会計事務所を母体とする事業基盤の形成
1986年 農業用ソフト分野に進出 農業会計・農業支援事業の始まり
1991年 ビジネスソフト分野へ進出 財務・販売・顧客管理に領域を拡大
1995年 ソリマチ株式会社に社名変更、会計王発売 主力会計ブランドの誕生
1996~1997年 給料王・販売王を発売 給与・販売管理へ拡張
2000年 東京・新潟の2本社体制へ 全国展開と開発体制の強化
2013年 フェースファーム生産履歴を提供開始 農業クラウドへの進出
2021年 会計バンク株式会社を設立 フィンテック領域への展開
2025年 ソフトバンクとの中小企業DX協業を発表 生成AIを活用した業務支援を強化
2026年 農業簿記13、給料王クラウド版、MoneyLink Web版などを展開 AI・クラウドを組み合わせた業務効率化

この沿革から読み取れるのは、同社が会計ソフトの単一ブランドだけで成長した企業ではないということだ。会計事務所の実務、農業経営、一般企業のバックオフィスという複数の現場に対応することで、事業基盤を広げてきた。

【製品一覧】会計王・みんなの青色申告・農業簿記13など主力ソフトを比較

ソリマチ株式会社の製品は、利用者の業種や業務によって役割が異なる。会計王を中心とした一般企業向け製品のほか、個人事業主、農業経営者、給与担当者、販売管理担当者、会計事務所向けの製品がそろっている。

会計王:中小企業の経理・決算を支える看板製品

「会計王」は、ソリマチを代表する会計ソフトだ。1995年に初代製品が発売されて以来、長期にわたってシリーズ展開が続いている。

日々の仕訳入力、帳簿管理、決算書作成、経営分析など、中小企業の日常的な会計業務を幅広くカバーする。

銀行口座やクレジットカードの明細を取り込むMoneyLinkとの連携、自動仕訳、定期仕訳など、入力作業を減らすための機能も用意されている。

また、インボイス制度や電子帳簿保存法などの制度変更への対応も製品開発の重要なテーマだ。

みんなの青色申告:個人事業主向けの会計ソフト

「みんなの青色申告」は、個人事業主向けに設計された青色申告ソフトだ。

法人会計を中心とする会計王と異なり、個人事業主が日々の帳簿付けから確定申告に必要な書類作成まで進められることを主な目的としている。

事業規模が比較的小さいフリーランスや個人商店、サービス業の事業者などにとって、導入価格を抑えやすい点も特徴となる。

農業簿記13:農業経営に特化した会計ソフト

「農業簿記13」は、農家や農業法人向けに開発された専用会計ソフトで、2026年4月22日に発売された。

一般的な会計ソフトと異なり、肥料費、農薬費など農業独自の勘定科目をあらかじめ用意している。農業で発生しやすい取引例を選択して仕訳を作成できるほか、減価償却費や育成資産の管理にも対応する。

農業、不動産、一般という3種類の申告様式に対応しているため、農業とアパート経営を兼業する人や、農産物の加工・販売を手掛ける6次産業化事業者にも活用の余地がある。

特に注目されるのが、2027年分の申告から予定される青色申告特別控除の最大75万円への見直しに対応する機能だ。優良な電子帳簿や電子申告などの要件を意識した農業経営のデジタル化を後押しする製品となっている。

給料王・販売王:経理以外のバックオフィス業務にも対応

「給料王」は給与・賞与計算、年末調整、社会保険関連業務などを支援する給与計算ソフトだ。2026年4月には従来のパッケージ版に加えてクラウド版が登場した。

「販売王」は見積書、受注、売上、請求書などの販売管理を効率化するソフト。上位ラインナップの「販売王 販売・仕入・在庫」では、仕入や在庫管理まで扱える。

MA1:会計事務所と顧問先をつなぐクラウド会計

「MA1」は会計事務所向けに設計されたクラウド会計ソフトだ。会計王をベースにした操作性を持ち、会計事務所と顧問先が会計データを共有できる。

AIを活用した自動仕訳や明細取り込み、請求書のデータ連携などを通じて、記帳代行や顧問先の経営支援を効率化することを目指している。

一般の個人事業主がオンラインショップで購入するタイプの製品とは異なり、会計事務所クラウドやソリマチのパートナー事務所制度を通じて利用する仕組みが特徴だ。

主要製品・サービスの比較表

それぞれの製品の対象者と価格を整理すると、ソリマチの事業構造がより分かりやすくなる。

製品・サービス 主な対象者・用途 価格・提供形態
会計王 中小企業の会計・決算 44,000円(税込)・買い切り型
みんなの青色申告 個人事業主の青色申告 10,780円(税込)・買い切り型
農業簿記13 農家・農業法人の会計 66,000円(税込)
給料王 給与計算・年末調整 パッケージ版44,000円(税込)。クラウド版は月額3,278円から
販売王 見積・受注・売上・請求管理 44,000円(税込)・買い切り型
販売王 販売・仕入・在庫 販売・仕入・在庫の一元管理 66,000円(税込)・買い切り型
MA1 会計事務所と顧問先のクラウド会計 会計事務所向けサービス。利用条件・料金は個別確認
フェースファーム生産履歴 農作業記録・圃場別の生産履歴管理 2013年提供開始の農業クラウドサービス。現行の提供条件は要確認

※価格は公式製品情報および製品発売資料に掲載された税込価格を基準としている。給料王クラウド版は別の料金体系であり、サポート内容や利用人数によって料金が異なる。購入時には最新版の公式価格を確認したい。

【評判・口コミ】会計王は使いやすい?価格・機能・サポートを検証

ソリマチの製品を検討する際、気になるのが実際の利用者からの評判だ。特に会計王は長年販売されている製品だけに、利用者レビューや第三者評価も参考になる。

会計王の評価は4.3点、ITreviewで2026年秋のLeaderに選出

法人向けIT製品のレビュー・比較サイト「ITreview」では、会計王は2026年秋時点で総合評価4.3点、114件のレビューを獲得している。また、2026 Fallの会計ソフト部門でLeaderに選出されている。

レビューで評価されている主な要点は次の3つだ。

  • 操作性:直感的な画面構成やキーボード中心の入力、仕訳辞書などによって日常業務を進めやすい。
  • コストパフォーマンス:買い切り型のため、月額課金型とは異なる費用設計ができる。
  • サポート:電話・メールなどの問い合わせ対応や法改正への対応が評価されている。

特に小規模企業で経理を担当する人からは、必要な機能がまとまっていることや、仕訳入力の習得が比較的容易なことが評価されている。

一方で、改善を求める声もある

利用者のレビューには、改善してほしいポイントも見られる。

例えば、銀行口座の明細取り込みに別ツールを使用する手間、マルチディスプレイへの対応、複数拠点で同時に作業する場合の使い勝手などだ。

これらは、会計王が伝統的なインストール型ソフトを基本としてきたことと関係している。ブラウザだけで複数人が同時に操作するクラウド会計とは、設計思想が異なる。

ただし、2026年4月22日には金融機関明細取込アプリ「MoneyLink」がWeb版へ刷新され、Mac、iPad、スマートフォンなどからも利用できるようになった。通帳を撮影して明細を読み取るOCR機能も追加されている。

過去のレビューにある使い勝手の指摘を、そのまま2026年の最新版にも当てはめるのではなく、現在の連携環境を確認することが大切だ。

会計王の価格は高い?クラウド型との比較ポイント

会計王の公式掲載価格は44,000円(税込)。みんなの青色申告は10,780円(税込)で、いずれも買い切り型を基本としている。

これに対して、クラウド会計サービスは月額・年額課金が中心だ。初期費用だけを比較すると買い切り型が有利に見える場合があるが、実際の費用は利用年数、保守サービス、法改正対応、データ連携、複数人利用などによって変わる。

例えば、経理担当者が1人で、Windowsパソコンを中心に利用する小規模企業なら、買い切り型は選択肢になりやすい。一方、複数の拠点から同時にアクセスしたい企業や、外出先からも常に作業したい企業では、クラウド型の方が業務に合う可能性がある。

会計ソフトの価格は、購入金額だけではなく、導入後の運用コストと作業時間を含めて比較するべきだ。

【2026年最新情報】農業簿記13・給料王クラウド・MoneyLinkの進化

2026年のソリマチ株式会社を語るうえで重要なのが、従来のパッケージソフトを維持しながら、クラウドとAIを組み合わせたサービスを拡充していることだ。

2026年4月1日:給料王クラウド版の提供開始

2026年4月1日、ソリマチは給与計算ソフト「給料王」にクラウド版を追加した。

従来のパッケージ版と同等の基本機能を備えながら、複数担当者での運用や会計事務所・社会保険労務士との連携を想定した料金プランを用意している。

料金は次の3プランだ。

  • ライト:月額3,278円、年額32,780円。1アカウント。
  • ベーシック:月額4,378円、年額43,780円。3アカウント。
  • プロフェッショナル:月額5,478円、年額54,780円。5アカウント。

ライトプランは年末調整に対応せず、ベーシックとプロフェッショナルでは年末調整にも対応する。電話サポートの有無もプランによって異なるため、企業の給与業務に合わせた選択が必要だ。

2026年4月22日:農業簿記13を発売

農業経営者向けの主力製品である農業簿記は、2026年4月22日に最新版の13へバージョンアップした。

大きな注目点は、令和9年分の申告から予定される青色申告特別控除の最大75万円への見直しに対応したことだ。

また、前年の決算書を読み込んで導入作業を簡略化する機能や、農業特有の勘定科目、金融機関明細の取り込みなども用意されている。

農業経営では、肥料や農薬の購入、農機具の減価償却、作物の育成費用など、一般企業とは異なる会計処理が発生する。こうした業界特有の処理を標準機能として組み込んでいる点が、汎用会計ソフトとの差別化につながっている。

2026年4月22日:MoneyLinkがWeb版へ刷新

MoneyLinkは、銀行やクレジットカードなどの金融機関明細を取り込み、会計ソフトの仕訳作業を支援するサービスだ。

2026年4月のWeb版リリースによって、従来のWindowsパソコンへのインストールを前提とする運用から、ブラウザを利用したマルチデバイス対応へと進化した。

特に注目されるのは通帳OCR機能だ。紙の通帳をスマートフォンやタブレットで撮影し、日付や金額を読み取ってデータ化できる。これにより、通帳を見ながら手入力していた作業の削減が期待できる。

2026年5月:JA全中・農林中央金庫などとの農業DX実証を次の段階へ

2026年5月26日には、JA全中、農林中央金庫、農業利益創造研究所とのパートナーシップ協定に基づく実証成果と今後の展開が発表された。

2023年5月から進めてきた取り組みでは、主に次の3分野が検証されている。

  • 作物別分析などを通じた農業コンサルティング機能の高度化
  • AI-OCRなどを活用した記帳代行業務の効率化
  • 農業の会計・記帳データを活用した経営分析と提案モデルの構築

この実証を経て、ソリマチ主導のサービス実装・展開フェーズへ移行する方針が示された。農業会計ソフトの販売だけでなく、蓄積されたデータを経営改善に生かす方向へ事業を広げている。

【AI・DX戦略】ソフトバンクとの協業とフェースファームの現在地

ソリマチ株式会社の2025年以降の動向で、特に注目されるのがソフトバンクとの協業だ。会計・税務分野で蓄積した顧客基盤と、生成AIや通信技術を組み合わせることで、中小企業や会計事務所の業務効率化を目指している。

ソフトバンクとの協業は何を目指しているのか

2025年3月13日、ソリマチとソフトバンクは、生成AIなどを活用した中小企業向けDX支援で協力することを発表した。

この協業で対象となったのが、ソリマチが提供する「商工会クラウド」だ。全国1,643の商工会と、そこに加入する79万会員の中小企業・小規模事業者への業務効率化支援を目指す取り組みである。

発表された主な施策は次のとおり。

  • AI診断レポート:会計データを基に、業績分析や経営改善提案のレポート作成を支援する。
  • 記帳業務のリマインド:領収書や振込明細などの提出期限を生成AIで通知する。
  • 問い合わせ対応:チャットボットを活用して商工会職員と事業者の負担を軽減する。
  • DXソリューション:スマートフォン、タブレット、生成AI、セキュリティー、クラウド、RPAなどを提供する。

また、ソリマチテックグループのキャリアサクセス株式会社が運営するコールセンターでは、Azure OpenAI Serviceを利用した実証実験も進められていた。発表資料では年間3万件を超える問い合わせ対応の効率化が目標として示されている。

ここで重要なのは、ソリマチが単独で生成AIを開発するという話ではないことだ。会計業務の専門知識と全国の商工会とのネットワークを持つソリマチに、ソフトバンクのAI・通信・DXソリューションを組み合わせる協業モデルである。

2026年6月:ソフトバンクの生成AIサービスdailyAIを取り扱い

2026年6月19日には、ソリマチがソフトバンクの法人向け生成AIサービス「dailyAI」の取り扱いを開始すると発表した。

dailyAIはAzure OpenAI Serviceを活用した法人向けサービスで、ファイルの要約・分析、文章作成、情報整理などを支援する。

対象として想定されているのは会計事務所だ。会計事務所では、顧問先とのやり取り、資料整理、社内文書の作成、情報収集など、多くの事務作業が発生する。

生成AIを導入しても、情報漏えいや職員の利用定着に不安があれば、実際の業務では活用が進みにくい。ソリマチが会計事務所向けのAI活用支援に取り組む背景には、こうした業界固有の課題がある。

フェースファーム生産履歴とは?現在も利用できるのか

農業分野の製品・サービスとして、もう一つ知っておきたいのが「フェースファーム生産履歴」だ。

同サービスは2013年7月に提供が開始された農業クラウドサービスで、パソコン、タブレット、スマートフォンから農作業の記録を入力できる仕組みだった。

主な機能として発表されていたのは、次のような内容だ。

  • 毎日の農作業記録の入力
  • 圃場ごとの栽培実績データの管理
  • 圃場別の生産性分析
  • 次年度の栽培計画の作成支援
  • 地図情報を利用した水田・畑の指定

加えて、ヤンマーとの業務提携により、農業機械の遠隔管理システムとの連携も発表された。

ただし、フェースファーム生産履歴は2013年当時のサービス名であり、現在の公式製品ラインナップでは農業簿記13などが前面に掲載されている。2026年11月時点の新規販売・サポート条件については、現行サービスとして利用できると断定せず、ソリマチへの確認が必要だ。

ソリマチのAI・DX戦略から見える今後の方向性

2026年の動きを整理すると、ソリマチのDX戦略には大きく3つの方向性がある。

第一に、会計や給与などの定型業務を自動化すること。MoneyLinkのWeb化やOCR、AI仕訳などは、入力作業そのものを減らす取り組みだ。

第二に、会計データを経営支援に活用すること。農業分野でのJAとの実証や商工会クラウドのAI診断レポートは、数字を記録するだけでなく、経営判断に役立てる方向性を示している。

第三に、他社サービスとの連携によって業務全体を効率化することだ。2026年1月には、会計事務所クラウドとマネーフォワードの「STREAMED」のAPI連携を開始。紙の領収書や請求書をデータ化した仕訳情報をMA1へ、証憑データをVM1へ連携できるようになった。

つまり、ソリマチの事業は会計ソフト単体の機能競争から、金融データ、証憑管理、生成AI、経営分析を組み合わせた業務支援へと広がっている。

【よくある質問】ソリマチ株式会社に関するFAQ

Q1:ソリマチ株式会社は何をしている会社ですか?
A1:会計・給与・販売管理ソフトやクラウドサービスを企画、開発、販売する企業です。中小企業、個人事業主、農業経営者、会計事務所などを主な対象としています。

Q2:ソリマチ株式会社の設立はいつですか?
A2:1972年10月です。新潟県長岡市で設立されました。なお、グループの事業のルーツは、それ以前の会計事務所にあります。

Q3:ソリマチ株式会社の代表者は誰ですか?
A3:公式会社概要に掲載されている代表取締役社長は反町秀樹氏です。2003年に同社の代表取締役社長に就任しています。

Q4:ソリマチ株式会社の本社は長岡市ですか?
A4:新潟県長岡市表町に新潟本社があります。また、東京都千代田区大手町にも東京本社があり、公式サイトでは両方が掲載されています。

Q5:会計王とみんなの青色申告の違いは何ですか?
A5:会計王は主に中小企業向けの会計ソフトで、みんなの青色申告は個人事業主向けの青色申告ソフトです。事業形態と必要な会計機能に合わせて選ぶ製品が異なります。

Q6:農業簿記13の発売日はいつですか?
A6:2026年4月22日です。農業独自の勘定科目や減価償却、育成資産管理などに対応し、2027年分申告から予定される最大75万円の青色申告特別控除への対応も特徴です。

Q7:ソリマチとソフトバンクはどのような関係ですか?
A7:2025年3月に生成AIなどを活用した中小企業向けDX支援での協業を発表しました。2026年6月にはソフトバンクの法人向け生成AIサービスdailyAIの取り扱いも開始しています。

Q8:会計王の価格はいくらですか?
A8:公式掲載の税込価格は44,000円です。買い切り型を基本としていますが、保守サービスや関連ツールなどの利用条件は別途確認してください。

まとめ:【プロの結論】ソリマチ株式会社は会計から経営DXへ進化する企業

ソリマチ株式会社は、1972年に新潟県長岡市で設立された会計・業務ソフトメーカーだ。会計事務所を母体とする歴史を持ち、1995年の会計王発売を大きな転換点として、給与計算、販売管理、農業会計などへ事業を拡大してきた。

同社の特徴は、幅広い業種を対象にしながら、利用者の実務に合わせた専門性の高い製品を提供していることだ。

会計王は中小企業、みんなの青色申告は個人事業主、農業簿記13は農業経営者、給料王は給与担当者、販売王は販売・在庫管理担当者、MA1は会計事務所と顧問先というように、製品ごとに役割が明確になっている。

2026年には農業簿記13の発売、給料王クラウド版、MoneyLinkのWeb化、JA関連組織との農業DX実証、ソフトバンクのdailyAIの取り扱いなど、事業展開にも変化が見られる。

【プロの結論】

ソリマチ製品を選ぶ際に重要なのは、ブランドの知名度や初期価格だけで判断しないことだ。自社の業種、会計処理の複雑さ、利用人数、クラウド連携の必要性、税理士とのデータ共有、導入後のサポートまで含めて比較する必要がある。

特に、Windowsパソコンを中心に経理を行う小規模事業者には、会計王などの買い切り型製品が選択肢になる。一方、複数担当者によるクラウド運用を重視する企業や会計事務所には、MA1や給料王クラウド版などの検討価値がある。

今後の焦点は、長年培ってきた会計・農業分野の専門知識を、生成AIやクラウドによってどこまで経営支援に結び付けられるかだ。ソリマチ株式会社は、従来の会計ソフトメーカーという枠を越え、中小企業と農業経営を支えるデジタル業務基盤の提供者へと事業を広げようとしている。

2026年以降も、AIによる記帳の自動化、農業データの活用、会計事務所との連携など、その動向を追う価値がある企業だ。

主な参照資料・確認先

- ソリマチ株式会社公式「会社概要」「代表メッセージ」「沿革」
- ソリマチ株式会社公式製品情報・2026年ニュースリリース
- ソフトバンク株式会社「中小企業向けDX支援に関する協業発表」
- ITreview「会計王の評判・口コミ」「2026 Fall Grid Award」

同じカテゴリの記事

葛西 亮介

アイドル・グラビア担当として4年以上の取材経験。idol領域の公式発表・配信元の告知を一次情報として確認し、確認できない情報は記事に含めない方針です。

おすすめの関連記事