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【診療情報管理士の仕事内容】カルテ管理からDPC・疾病コーディングまで担当

穂積 美咲 穂積 美咲 • 更新: • 公開: • 読了約 29 分
目次

診療情報管理士の仕事は、患者の診療情報を正確に管理し、必要な場面で医療スタッフや病院経営部門が活用できる状態に整えることです。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、診療情報管理士の業務として、診療録の点検・保管・管理、情報の収集・加工・分析、疾病コーディング、カルテ開示などを紹介しています。

1.診療録・電子カルテの管理

患者の診療録には、医師の診察記録、看護記録、検査結果、手術記録、投薬情報などが記載されています。

診療情報管理士は、こうした記録が適切に作成・保存されているかを確認します。

具体的な業務は次のとおりです。

- 診療録の保管・整理・管理
- 電子カルテの記録内容の確認
- 診療記録の記載漏れや不備の点検
- 退院時サマリーの管理
- 診療録の貸し出し・返却管理
- 患者や関係機関からのカルテ開示対応
- 診療録管理委員会の運営補助

紙カルテが中心だった時代と異なり、現在は電子カルテや院内情報システムを扱う能力も求められます。

2.疾病コーディング・ICD分類

専門性が特に問われる仕事が疾病コーディングです。

疾病コーディングとは、診療録に記載された病名や診療内容を、定められた分類体系に従ってコード化する作業です。

代表的なのが、WHO(世界保健機関)が定める国際疾病分類ICDです。

例えば、診療録に記載された傷病名を確認し、医学的な内容や診断の詳細を踏まえて適切な分類コードを選択します。

この作業には、医学用語の知識だけでなく、病名と診療経過を正確に読み取る力が必要です。

コーディングの誤りは、医療統計の正確性や診療報酬関連のデータにも影響するため、慎重な確認が欠かせません。

3.DPC関連業務・医療データ分析

DPCは、Diagnosis Procedure Combinationの略称で、日本独自の診断群分類を指します。

DPC/PDPSは、診断群分類に基づいて急性期入院医療の1日当たりの包括評価を行う制度です。

診療情報管理士は、患者の傷病名、手術、処置などの情報を整理し、適切なDPCコーディングや提出データの確認に携わります。

2026年度の診療報酬改定でもDPC分類や関連する電子点数表が更新されており、厚生労働省は2026年10月にも正式版の更新情報を掲載しています。

DPC関連の仕事には、次のようなものがあります。

- DPCコーディングの確認
- 診断群分類の適切性の点検
- DPCデータの作成・提出
- エラーの修正
- 医療機関別のデータ分析
- 診療実績や経営指標の資料作成

ここで重要なのは、DPCコーディングが診療情報管理士だけで完結する仕事ではないことです。

診断内容の確認には医師などの協力も必要であり、院内のコーディング委員会などを通じた多職種連携が大切です。

4.がん登録・医療統計・医療の質の評価

病院によっては、院内がん登録や全国がん登録、医療統計の作成にも携わります。

患者の疾病情報を整理し、診療実績や医療の質を把握するための資料を作成する仕事です。

診療データを集計するだけではなく、数値の変化を分析し、病院内の業務改善や医療安全に役立てることもあります。

つまり、診療情報管理士は、医療現場の記録を管理する専門家であると同時に、医療データを経営や医療の質の向上につなげる役割も持っています。

【診療情報管理士の資格取得方法】受験資格・通信教育・費用を解説

診療情報管理士

診療情報管理士になるには、所定の教育課程を修了したうえで、日本病院会が実施する認定試験に合格する必要があります。

取得ルートは、大きく分けて次の2つです。

1. 日本病院会の診療情報管理士通信教育を修了する。
2. 日本病院会の指定大学・指定専門学校で必要な単位を取得して卒業する。

この資格は国家資格ではなく、四病院団体協議会と医療研修推進財団が認定する専門資格です。

1.通信教育で資格取得を目指す方法

社会人や医療機関で働きながら資格を目指す人に利用されているのが、日本病院会の通信教育です。

基本的な学習期間は2年間で、基礎課程と専門課程に分かれています。


日本病院会の通信教育の流れ


基礎課程(1年間)

医学の基礎知識、医療用語、医療制度などを学ぶ。


専門課程(1年間)

診療情報管理、疾病分類、医療情報学、医療統計などを学ぶ。


全課程修了

所定の科目試験などをクリアし、認定試験の受験資格を得る。


認定試験に合格

日本病院会の認定試験を受験する。


認定登録

認定料を納付し、診療情報管理士として登録する。


出典:日本病院会通信教育募集要項。標準的な取得ルートを整理。

通信教育はeラーニング方式です。

講義や練習問題をオンラインで学習できるため、決められた時間に会場へ通う必要はありません。仕事や家庭の都合に合わせて繰り返し学習できる点が特徴です。

2.通信教育の受講資格

基礎課程から受講する場合、原則として次の学歴条件があります。

- 2年制以上の短期大学を卒業した人
- 2年制以上の専門学校を卒業した人
- 上記と同等の学歴条件を満たす人

ただし、現在病院に勤務している人については、当分の間、高校卒業者でも受講できる特例があります。

ここでいう病院勤務には、診療所も含まれることが日本病院会のFAQで説明されています。

また、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士など、指定された国家資格の保有者は基礎課程を免除され、専門課程から編入できる制度があります。

なお、准看護師はこの編入対象に含まれません。

3.通信教育の費用はいくら?

2026年10月現在、日本病院会の通信教育の受講料は次のとおりです。

費用項目 金額(税込)
基礎課程1年間 110,000円
専門課程1年間 110,000円
2年間の通信教育 220,000円
専門課程への編入 110,000円
認定試験受験料 10,000円
認定登録料 30,000円

一般的な通信教育ルートで資格取得する場合、基本的な総額は次のようになります。


通信教育から認定登録までの基本費用

260,000円


通信教育2年間
220,000円


認定試験
10,000円


認定登録
30,000円


合計

260,000円



半期延長料などが必要になる場合は別途。指定校ルートは学校ごとの学費が異なります。

受講料は入講時に基礎課程分110,000円、2年目に専門課程分110,000円を納入します。

また、受講期間には通算6年という上限が設定されています。

受講料は原則として分納できず、教育訓練給付制度の対象外であることも確認しておきたいポイントです。

4.指定大学・専門学校で資格取得する方法

高校卒業後に医療系の専門知識を体系的に学びたい人には、指定大学や指定専門学校に進学する方法もあります。

日本病院会の指定校では、医学・医療・診療情報管理に関する所定の科目を履修します。

2026年4月時点では、指定大学が19大学、指定専門学校が36校とされています。

指定校を選ぶ際は、学校名だけでなく、次の点を確認してください。

- 診療情報管理士の指定カリキュラムがあるか
- 認定試験に必要な単位を取得できるか
- 卒業時に受験資格を得られるか
- 国家資格など他の医療資格も取得できるか
- 病院実習や就職支援が充実しているか

大学・専門学校のルートは、若いうちから医療事務や医学知識、情報分析を学びたい人に向いています。

一方、すでに社会人として働いている人にとっては、2年間の通信教育のほうが生活に組み込みやすい場合があります。

【2026年最新】認定者数・試験難易度・合格率を徹底検証

診療情報管理士の資格を検討するうえで、気になるのが試験の難易度と実際の認定者数です。

2026年現在、日本病院会の通信教育サイトでは、認定者数が49,802人を超えたと公表されています。

この数字からも、診療情報管理士が一部の病院だけで通用する特殊な資格ではなく、全国の医療機関で活用されている専門資格であることが分かります。

1.2026年の合格率は60.6%

2026年2月8日に実施された第19回診療情報管理士認定試験について、資格情報を掲載する各資料では次の数字が紹介されています。

試験実施年 受験者数 合格者数 合格率
2026年・第19回 1,919人 1,162人 60.6%
2025年・第18回 2,027人 1,275人 62.9%
2024年・第17回 2,310人 1,682人 72.8%
2023年・第16回 2,457人 1,622人 66.0%
2022年・第15回 2,625人 1,750人 66.7%

出典:旺文社「パスナビ」掲載の受験データ、資格情報サイトJQOS.jp掲載データ。合格率は受験者数と合格者数から算出した数値を含みます。

2024年には72.8%だった合格率が、2026年には60.6%まで低下しています。

2026年の試験では、受験者のおよそ4割が不合格となった計算です。

合格率だけを見れば極端に低い試験ではありませんが、通信教育の修了者や指定校の履修者が受験する試験であることを考えると、十分な準備が必要です。

2.認定試験の出題範囲と難易度

第20回認定試験の実施要項では、試験は基礎分野と専門分野の2つに分かれています。

試験区分 主な学習内容 配点・形式
基礎分野 医学、医療概論、臨床医学、医療用語など 100点・多肢選択
専門分野 診療情報管理、医療管理、医療情報学など 100点・多肢選択

各分野の試験時間は60分で、原則マークシート方式です。教材の持ち込みは認められていません。

難しく感じやすいのは、医学と情報管理の両方を理解する必要がある点です。

医療未経験者の場合、解剖学や臨床医学、病名、医学用語を覚えるところから始めなければなりません。

一方、看護師や薬剤師などの医療資格を持つ人は、基礎医学の理解を生かせる可能性があります。

ただし、医学知識が豊富でも、ICD分類や医療情報管理の専門分野は別途学習が必要です。

3.2027年実施・第20回認定試験の最新情報

2026年11月2日現在・申込受付中

日本病院会は2026年11月2日、第20回診療情報管理士認定試験の申込期限を延長したと発表しました。

当初の期限から変更され、2026年11月15日まで申し込みが可能です。


第20回診療情報管理士認定試験


試験日
2027年2月14日(日)


試験時間
13:00~16:10


申込期限
2026年11月15日(日)


受験料
10,000円(税込)


試験会場
14地区15会場


合否発表
2027年3月17日(水)


認定登録料
30,000円(税込)

受験資格:日本病院会通信教育修了者、または指定大学・指定専門学校で所定単位を取得した卒業者および所定の卒業見込み者。
出典:日本病院会「第20回診療情報管理士認定試験実施要項」「2026年11月2日付申込期限延長のお知らせ」。

試験地は北海道、宮城、栃木、東京、神奈川、新潟、長野、愛知、大阪、岡山、広島、福岡、鹿児島、沖縄です。

また、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師など指定された国家資格の保有者には、申請による基礎分野の試験免除制度があります。

これから受験を予定している人は、通信教育の修了状況と指定単位の取得状況を確認し、申込期限に間に合うよう手続きを進める必要があります。

4.資格・教育・病院業務の関係を整理

診療情報管理士を理解するには、認定団体、教育機関、試験、実際の業務の関係を把握すると分かりやすくなります。

関連する主体・制度 主な役割 診療情報管理士との関係
日本病院会 通信教育・認定試験の実施 主な教育・試験機関
四病院団体協議会 4つの病院団体による協議組織 資格認定に関与
医療研修推進財団 医療従事者の研修・資格認定 認定団体の一つ
指定大学・専門学校 所定カリキュラムの教育 通信教育以外の取得ルート
診療情報管理士認定試験 基礎・専門分野の評価 資格取得に必要
医療機関 診療録管理・データ分析 資格取得後の主な活躍の場
DPC/PDPS 診断群分類に基づく包括評価制度 コーディング・データ管理で関係

資格取得後に重要なのは、認定証を持っていることだけではありません。

実際の医療機関では、診療録の内容を理解し、医師や看護師、医事課、情報システム部門と連携しながら、正確な情報を維持する能力が大切です。

【診療情報管理士の年収・給料と就職先】求人の実態を調査

資格取得を考える人にとって、年収や就職先は大きな判断材料です。

ただし、診療情報管理士は独立した国家資格職ではなく、勤務先によって医療事務職員、病院事務職員、専門職員など、雇用上の扱いが異なります。

そのため、資格を取得すれば全国一律の給与が適用されるわけではありません。

1.診療情報管理士の年収・給料の目安

2026年10月16日更新のIndeed給与ガイドでは、診療情報管理士の正社員求人2,635件を基にした掲載データとして、月給の中央値は21万円とされています。

また、同サイトの年収分布では、400万~500万円の区分が38.5%、300万~400万円の区分が28.2%を占めています。

これは求人掲載情報を基にした集計であり、実際に働く人全員の平均年収や確定した給与額ではありません。

実際の病院求人を見ると、経験や手当によって給与に差があることが分かります。

例えば、2026年7月更新の江戸川病院の募集要項では、次の条件が掲載されていました。

- 職務給:月19万~27万円
- 特殊勤務手当:月2,000~4,000円
- 特別手当:月2,000円および4万円
- 大卒・経験4年の給与モデル:月26万1,000円
- 賞与:年2回、前年度実績で計4か月分程度

この求人では、診療録管理、統計資料作成、DPCコーディングの点検、がん登録などが業務に含まれています。

つまり、給与を左右するのは資格の有無だけではありません。

実務経験、担当業務の専門性、病院の規模、役職、賞与や各種手当などが関係します。

2.診療情報管理士の主な就職先

主な就職先は、医療機関の診療情報管理部門です。

具体的には次のような職場があります。

- 大学病院
- 総合病院
- 公立病院
- 国立病院機構の医療機関
- 地域の中核病院
- 医療法人が運営する病院
- 医療情報管理に関わる関連部門

配属先は診療録管理室だけではありません。

医事課、医療情報課、病歴管理部門、がん登録部門、病院経営企画部門などで働くケースもあります。

厚生労働省のjob tagでは、診療情報管理士の多くは総合病院で働き、病院事務職員に近い労働条件で勤務することが多いと説明されています。一般的には夜勤のない職種です。

3.2026年の実際の求人から見る仕事内容

求人情報を確認すると、資格保有者を求める医療機関では、かなり具体的な専門業務が募集要件に挙げられています。

医療機関・組織 募集・業務の特徴
順天堂医院 ICDコーディング、診療録監査、院内がん登録、DPC業務
九州医療センター 診療記録管理、医療統計、がん登録、ゲノム診療関連業務
市立青梅総合医療センター がん登録、DPCデータ作成・分析、診療情報管理
江戸川病院 診療録点検、統計資料作成、疾病登録、DPCコーディング

この求人内容から読み取れるのは、単純なカルテ整理だけを担当する人材ではなく、医療情報を正しく扱い、分析や改善にも関われる人材が求められているという点です。

特に、ICDコーディング、DPCデータ、院内がん登録の実務経験は、専門性を示す材料になります。

4.資格を取得すれば就職に有利になる?

厚生労働省のjob tagでは、診療情報管理士の資格があると就職に有利になると説明されています。

ただし、資格取得だけで採用が保証されるわけではありません。

求人によっては、次の条件が設定されています。

- 診療情報管理士の認定資格
- 医療機関での実務経験
- ICDコーディングの経験
- DPC関連業務の経験
- がん登録の経験
- Excelなどのパソコン操作能力

未経験者の場合は、資格を取得した後に医療事務や病院事務の経験を積み、専門部署への異動や転職を目指す方法も考えられます。

【向いている人・やめとけと言われる理由】取得後に後悔しない判断基準

診療情報管理士は、医療に関わりながら、患者と直接接する仕事よりも情報管理や分析に力を発揮したい人に適した職種です。

一方で、資格取得に時間と費用がかかるため、仕事の実態を理解せずに取得すると、期待とのギャップが生じる可能性があります。

1.診療情報管理士に向いている人

次のような特徴を持つ人は、仕事との相性がよいと考えられます。

正確な作業を続けられる人

診療録の記載内容や病名コードを扱うため、小さな間違いを見逃さない注意力が大切です。

医学や医療制度に興味がある人

医療用語や疾病分類を継続して学ぶ必要があるため、医学知識を身につけることに抵抗がない人に向いています。

数字やデータを扱うことが好きな人

医療統計やDPCデータの集計、分析など、数字を読み解く仕事が多くあります。

チームで仕事を進められる人

医師、看護師、薬剤師、医事課職員など、多くの職種と関わるため、調整力やコミュニケーション能力も必要です。

裏方として医療を支えたい人

患者と直接接する時間よりも、情報管理を通じて医療の質を支えることにやりがいを感じる人に適しています。

2.「やめとけ」「後悔した」と言われる理由

資格取得を検討している人が知っておきたいのは、資格そのものの評価と、実際の働きやすさは別問題だということです。

代表的な注意点は次の5つです。

後悔につながる要因 実際に確認したいこと
資格取得に時間がかかる 通信教育は原則2年間
費用が高い 基本的な総額は26万円
給料が期待ほど上がらない 勤務先の給与規定を確認
地域によって求人が限られる 通勤圏内の求人件数を確認
専門知識の勉強が続く 医学・制度・コーディングの継続学習が必要

特に注意したいのは、資格を取れば自動的に給与が上がるという期待です。

診療情報管理士の資格手当を設けている病院もありますが、すべての医療機関が資格手当を支給しているわけではありません。

また、病院の規模によっては、専任の診療情報管理士を配置せず、医事課職員などが業務を兼務している場合もあります。

そのため、就職先を選ぶ際は、資格の活用範囲や配属部署まで確認することが大切です。

3.取得をおすすめできない人

次のような希望が強い場合は、資格取得の目的をもう一度整理したほうがよいでしょう。

- 資格を取るだけですぐに高収入を得たい人
- 医学用語や疾病分類の学習が苦手な人
- 細かい確認作業を避けたい人
- 患者と直接接する仕事を中心にしたい人
- 医療機関で働くこと自体に関心がない人

診療情報管理士は、資格を取得した瞬間にキャリアが完成する職業ではありません。

取得後に実務経験を積み、専門分野を広げることで価値を高めていく資格です。

【診療情報管理士の将来性・需要】AI時代に専門職として生き残れる?

診療情報管理士の将来性を考えるうえで注目したいのが、医療データの活用拡大と病院の情報管理体制です。

2026年の医療制度では、DPC/PDPS、電子カルテ、がん登録、医療安全、診療情報の標準化など、正確な医療データを必要とする仕組みが存在しています。

1.DPC対象病院の広がりと専門人材の必要性

厚生労働省の2026年度診療報酬改定資料によると、DPC/PDPSの対象病院は、2026年6月1日時点の見込みで1,686病院、約47万床です。

急性期一般入院基本料などに該当する病床の約83%を占める規模となっています。

この制度を適切に運用するには、診療録の内容を正しく把握し、傷病名や診療行為を分類する業務が欠かせません。

病院のデータ提出や診療実績の分析も必要になるため、診療情報管理士の専門知識が活用される領域です。

2.AIによって仕事はなくなるのか

電子カルテの普及やAIによる文書処理の高度化によって、診療情報管理士の仕事にも変化が生じると考えられます。

例えば、次のような定型業務は自動化が進む可能性があります。

- 記録の形式的なチェック
- データの集計
- 定型的な入力作業
- 文書の分類
- 統計資料の作成補助

しかし、診療録の内容を理解し、診断や診療経過の整合性を確認する業務は、単純な自動処理だけでは完結しません。

医師への確認、院内ルールへの対応、情報の正確性の担保など、人による判断や調整が必要な場面もあります。

今後は、単純な記録管理だけでなく、データの分析・評価や医療情報システムの理解を備えた人材が、より活躍しやすくなると考えられます。

3.将来性を高めるために身につけたいスキル

資格取得後のキャリアを広げるには、診療情報管理士の基本知識に加え、専門分野を持つことが効果的です。

追加で身につけたい知識 活用できる業務
DPC・コーディング DPCデータ管理、精度管理
がん登録 院内がん登録、全国がん登録
Excel・データ分析 医療統計、経営資料作成
医療情報システム 電子カルテ、データ管理
情報セキュリティ 個人情報保護、アクセス管理
医療経営の知識 病院経営分析、業務改善

さらに専門性を高めたい人には、日本診療情報管理学会などの活動や、診療情報管理士指導者などの上位の専門的な認定制度も選択肢になります。

資格取得をゴールにせず、医療データを扱える専門職として能力を磨き続けることが、長期的なキャリア形成につながります。

【診療情報管理士に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:診療情報管理士は国家資格ですか?

A1:いいえ。国家資格ではなく、四病院団体協議会と医療研修推進財団による認定資格です。日本病院会の通信教育や指定大学・専門学校で所定の課程を修了し、認定試験に合格することで取得できます。

Q2:診療情報管理士は独学で取得できますか?

A2:原則として、独学だけでは認定試験の受験資格を満たせません。日本病院会の通信教育を修了するか、指定大学・専門学校で必要な単位を取得する必要があります。

Q3:診療情報管理士の通信教育は何年かかりますか?

A3:標準的な修業期間は2年間です。基礎課程1年間と専門課程1年間で構成されています。指定された医療系国家資格を持つ人は、基礎課程を免除され、専門課程から編入できる場合があります。

Q4:診療情報管理士の資格取得費用はいくらですか?

A4:日本病院会の通信教育は2年間で220,000円です。受験料10,000円と認定登録料30,000円を加えると、基本的な総額は260,000円です。

Q5:2026年の診療情報管理士の合格率は何%ですか?

A5:2026年2月に実施された第19回認定試験は、受験者1,919人、合格者1,162人、合格率60.6%と資格情報資料に掲載されています。年度によって変動するため、過去の合格率だけで難易度を判断しないことが大切です。

Q6:診療情報管理士の年収はどのくらいですか?

A6:勤務先や経験によって異なります。2026年10月のIndeed掲載求人データでは月給中央値が21万円です。実際の給与は資格手当、賞与、経験年数、担当業務などによって変わります。

Q7:診療情報管理士は未経験でも就職できますか?

A7:未経験者を採用する医療機関もありますが、求人によっては資格に加えて実務経験やDPC、ICDコーディング、がん登録の経験を求めています。未経験者は病院事務や医療事務から経験を積む方法もあります。

Q8:診療情報管理士はAIに仕事を奪われませんか?

A8:定型的な入力や集計業務は自動化が進む可能性があります。一方、診療録の内容を理解したうえでの確認、医師との調整、情報の精度管理などは専門知識と判断力が必要です。データ分析や医療情報システムの知識を身につけることが将来性を高めます。

Q9:2027年の認定試験はいつですか?

A9:第20回認定試験は2027年2月14日(日)13時から16時10分まで実施予定です。2026年11月2日に日本病院会が申込期限を11月15日まで延長したと発表しています。

まとめ:診療情報管理士は医療データを支える専門資格、取得後の実務力が重要

診療情報管理士は、カルテ管理だけを担当する職種ではありません。

疾病コーディング、DPC、がん登録、医療統計、診療情報の分析など、病院運営や医療の質を支える幅広い業務に関わる専門職です。

2026年現在、認定者数は49,802人を超え、医療機関での情報管理の重要性も高まっています。

資格取得を検討する人が押さえておきたい要点は、次のとおりです。

- 資格取得期間: 通信教育は原則2年間。
- 基本費用: 受講料・受験料・認定登録料を合わせて260,000円。
- 受験資格: 通信教育の修了または指定校での所定単位取得・卒業。
- 2026年の合格率: 第19回は60.6%。
- 給与の目安: 求人掲載データでは月給中央値21万円。実務経験や勤務先で変動。
- 将来性: DPC、医療データ分析、がん登録などの専門性がキャリア形成の鍵。

特に2026年11月2日時点では、第20回認定試験の申し込みが11月15日まで延長されています。2027年2月の受験を予定している人は、受験資格と必要書類を早めに確認する必要があります。

【プロの結論】

診療情報管理士の価値は、資格の保有そのものよりも、医療情報を正確に読み取り、病院の医療安全・経営・データ活用に結びつけられるかどうかにあります。

取得後のキャリアまで考えるなら、資格取得と同時にDPCコーディング、ICD分類、医療統計、データ分析の実務力を磨くことが重要です。

「医療に携わりたいが、患者と直接接する仕事よりも専門知識を生かした裏方の仕事がしたい」「数字や情報を扱う仕事で医療に貢献したい」という人にとって、診療情報管理士は検討する価値のある資格です。

一方、資格取得による給与アップだけを期待している人は、受講費用と希望する求人の給与・業務内容を比較してから判断することをおすすめします。

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穂積 美咲

映画・ドラマ担当として5年以上の取材経験。cinema領域の公式発表・配信元の告知を一次情報として確認し、確認できない情報は記事に含めない方針です。

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