看護学部を選ぶ際、入試難易度と同じくらい確認したいのが、卒業後に看護師として働ける環境が整っているかどうかです。
大手前大学国際看護学部では、国家試験に向けた学習支援と、医療機関への就職支援の両方に取り組んでいます。
看護師国家試験の合格率
2026年の第115回看護師国家試験では、全国の受験者59,614人に対して合格者は52,666人、全体の合格率は88.3%でした。新卒者の合格率は94.1%です。
大手前大学については、河合塾Kei-Netの看護師国家試験データに次の数値が掲載されています。
- 2026年度:受験者90人、合格者81人、合格率90.0%
- 2026年度新卒:受験者82人、合格者75人、合格率91.5%
- 2025年度:受験者86人、合格者77人、合格率89.5%
- 2025年度新卒:受験者79人、合格者74人、合格率93.7%
このデータは大手前大学の看護師国家試験実績として掲載されたものです。学部単独の年度別実績と完全に同一の集計とは限らないため、大学の公表する学部別資料と照合して判断する必要があります。
数字を見ると、2026年度の全体合格率は全国平均を上回っていますが、新卒合格率は全国の新卒平均を下回っています。
したがって、単に「国家試験に強い大学」と評価するのではなく、年度ごとの合格者数、受験者数、新卒・既卒の違いまで確認が必要です。
国家試験対策はどのように行われる?
大学公式の学部紹介では、入学時から継続的な学習計画を立て、模擬試験などを活用して国家試験対策を行うことが説明されています。
特徴的なのは、専任教員による個別の学習支援です。
学生との面談を通じて学習の進み具合や模試の成績を確認し、苦手分野への対策や勉強方法について助言します。
看護師国家試験は、暗記だけでは対応しきれない専門的な問題も多く、4年間を通じて知識を積み重ねることが必要です。こうした継続的なサポートは、入学後の学習環境を考えるうえで確認しておきたいポイントです。
2026年3月卒業生の就職率は100%
大手前大学が公表した進路データによると、2026年3月卒業生の国際看護学部の就職率は100%です。
これは就職希望者に占める就職者の割合であり、卒業生全員が必ず就職したという意味ではありません。それでも、就職を希望する学生にとって心強い実績です。
主な就職先には大学病院・公立病院も
大学が公開している国際看護学部の就職実績には、次のような医療機関があります。
主な就職先の例
- 大阪大学医学部附属病院
- 大阪公立大学医学部附属病院
- 大阪赤十字病院
- 大阪医療センター
- 大阪国際がんセンター
- 大阪市立総合医療センター
- 関西医科大学附属病院
- 近畿大学病院
- 神戸市立医療センター中央市民病院
- 京都大学医学部附属病院
- 兵庫医科大学病院
- 兵庫県立こども病院
これらは過去の就職実績から大学が掲載した一部の医療機関です。毎年すべての病院に卒業生が就職するという意味ではありません。
就職支援は4年次まで段階的に実施
大学のキャリアサポートでは、学年に応じた就職準備を進めています。
4年次には個別求人の案内、就職相談、面接演習、履歴書やエントリーシートの添削などが用意されています。
また、学内合同就職説明会では、実習施設や外国人患者の受け入れ機関などが参加し、病院の看護体制や教育システムについて説明する機会が設けられています。
学生が自分の将来像を具体的に考え、希望する医療機関を探すための支援です。
【6】大手前大学国際看護学部の評判は?口コミから見えるメリットと注意点

大学選びでは、公式のカリキュラムや就職実績だけでは分からない学生生活も気になるところです。
大手前大学国際看護学部の評判について、学生口コミサイトに掲載されている内容を整理します。
口コミでは国際教育・施設・教員の支援が評価されている
「みんなの大学情報」では、国際看護学部看護学科について、総合評価4.79という評価が掲載されています。ただし、これは5件の口コミに基づく数字であり、学生全体の意見を代表する統計ではありません。
口コミで見られる主な評価要点は次のとおりです。
評価されているポイント
- 看護と国際教育の両方を学べる
- 海外実習を経験できる
- 教員が進路や学習について相談に乗ってくれる
- 校舎や実習室、図書室などの学習環境が整っている
- 大阪城に近く、交通アクセスも便利
一方、学生生活については、サークル活動の多くが西宮夙川キャンパスにあるという声も見られます。
そのため、大規模大学のように一つのキャンパスで多様なサークルや学生交流を楽しみたい人は、事前に活動状況を調べておくと安心です。
評判を判断するときに注意したい3つのこと
口コミは大学の雰囲気を知る参考になりますが、評価点だけで進学先を決めるのはおすすめできません。
特に看護学部の場合、次の3点を重視する必要があります。
1. 授業の内容と実習環境
実習先の種類や実習の進め方、自分が学びたい看護分野に対応しているかを確認しましょう。
2. 国家試験への支援体制
模擬試験の実施回数、個別指導、苦手科目への対応など、卒業までの学習支援を確認することが大切です。
3. キャンパスライフとの相性
大阪城キャンパスでの授業や学生交流、サークル活動など、自分が希望する大学生活を送れるかを見極めましょう。
大手前大学国際看護学部に向いている人
次のような希望を持つ人には、検討する価値のある進学先です。
- 外国人患者への看護に関心がある
- 英語を医療現場で使えるようになりたい
- 海外の病院や医療制度について学びたい
- 看護技術だけでなく多文化理解も深めたい
- 大阪市内のアクセスが良い大学に通いたい
- 大学病院や公的医療機関への就職を目指したい
あまり向いていない可能性がある人
反対に、次のような希望がある場合は、他大学との比較をおすすめします。
- 英語や異文化コミュニケーションにほとんど関心がない
- 海外実習や国際看護の学習に魅力を感じない
- 初年度200万円を超える教育関連費用の準備が難しい
- 学部卒業時点で保健師・助産師の受験資格も取得したい
- 大規模なキャンパスや豊富なサークル活動を最優先したい
特に資格面は重要です。保健師や助産師を目指す場合、国際看護学部の4年間だけで取得できる資格と、大学院で取得を目指す資格を区別しておきましょう。
【よくある質問】大手前大学国際看護学部に関するFAQ
Q1:大手前大学国際看護学部の偏差値はいくつですか?
パスナビの2027年度入試予想では40.0です。共通テスト利用方式のボーダー得点率は61〜72%となっています。模試の種類や更新時期によって予想値は変わります。
Q2:一般選抜の入試科目に英語は必要ですか?
はい。大学公式の一般選抜情報では英語が必須です。国語・数学・化学・生物から必要な選択科目を組み合わせる2科目方式と3科目方式があります。
Q3:初年度納入金はいくらですか?
2027年度入学者向けの初年度納入金は191万円です。実習衣や聴診器、教科書代などとして1年次に約23万円が別途必要となるため、その他の準備費用も考慮してください。
Q4:卒業すると看護師の資格を取得できますか?
卒業によって看護師免許が自動的に取得できるわけではありません。所定の単位を修得して卒業することで看護師国家試験の受験資格を得られ、国家試験に合格すると免許取得につながります。
Q5:保健師や助産師の国家試験も受験できますか?
国際看護学部の学士課程で取得を目指す資格は看護師国家試験受験資格です。保健師・助産師については、大学院の国際看護学研究科など別の教育課程を確認してください。
Q6:海外実習はありますか?
はい。タイのチェンマイ大学病院など、海外の大学や医療機関で学ぶ機会があります。ただし、実習内容や参加条件は学年・年度によって確認が必要です。海外を含む学外実習の交通費は自己負担となります。
Q7:卒業後の主な就職先はどこですか?
大阪大学医学部附属病院、大阪赤十字病院、大阪医療センター、関西医科大学附属病院などが過去の就職実績として掲載されています。
まとめ:大手前大学国際看護学部を選ぶ前に確認したいこと【プロの結論】
大手前大学国際看護学部は、一般的な看護師養成教育に加え、英語教育、多文化理解、国内外の実習を取り入れている4年制の看護学部です。
2026年はキャンパス名称が大阪大手前キャンパスから大阪城キャンパスへ変更され、大学の立地をより分かりやすく伝える新しい名称になりました。
進学を検討する際に、特に押さえておきたい要点は以下の5つです。
1. 偏差値:パスナビ掲載の2027年度予想値は40.0。
2. 入試:一般選抜では英語が必須で、2科目・3科目方式を選択できる。
3. 学費:初年度納入金は191万円。初年度の教材・実習関連費用も考慮する。
4. 教育:国内外の実習や看護英語、多文化コミュニケーションを学べる。
5. 進路:2026年3月卒業生の就職率は100%で、大学病院や公的病院などへの就職実績がある。
【プロの結論】大学選びでは偏差値より4年間の学びとの相性が重要
大手前大学国際看護学部を評価するうえで、最も注目したいのは「国際」という特色が実際の看護教育に組み込まれている点です。
外国人患者とのコミュニケーション、空港検疫、海外医療機関での実習、国際協力など、看護師として働く際の視野を広げる学習機会が用意されています。
一方で、英語教育や海外実習に関心がない人にとっては、学部独自の強みを十分に生かせない可能性もあります。
また、初年度納入金191万円という金額だけで判断せず、教材費や実習関連費用、2年次以降の学費、奨学金の適用条件まで含めた資金計画が欠かせません。
最終的な判断基準は、国家試験に合格するための教育、希望する医療機関への就職支援、国際的な看護を学ぶ環境の3つが、自分の将来像と一致しているかどうかです。
大阪城キャンパスのオープンキャンパスや大学体験授業に参加し、実習設備、教員との距離感、学生の雰囲気を実際に確かめてから出願を決めることをおすすめします。
2027年度入試を考えている人は、最新の学生募集要項と奨学金の条件も必ず確認しておきましょう。