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「わたしは、奈良派。」とは?2026秋の杏CMと世界遺産・飛鳥の旅を徹底解説

榊原 真央 榊原 真央 • 更新: • 公開: • 読了約 25 分
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「私は奈良派」という言葉を目にして、どのような意味があるのか、いつから使われているのか気になった人も多いのではないだろうか。正式名称は近鉄グループが展開する奈良観光プロモーション「わたしは、奈良派。」。2017年3月にスタートし、奈良の歴史、文化、自然、食、人との出会いを発信してきた長期キャンペーンだ。

2026年秋は、俳優の杏さんをイメージキャラクターに起用した第五弾が展開されている。今回の舞台は、2026年7月26日に世界遺産登録が決定した「飛鳥・藤原の宮都」。石舞台古墳、聖徳太子誕生の地と伝わる橘寺、壮大な古代都市の跡を残す藤原宮跡を巡る内容となっている。JR東海の「いざいざ奈良」との共同企画や、CM曲「青い口笛」にも注目したい。

【私は奈良派の意味とは?】2017年に始まったキャンペーンの由来と背景

私は奈良派

「私は奈良派」という表現は、奈良を好み、奈良の魅力に共感する人が、自分の旅のスタイルや価値観を表現する言葉として理解すると分かりやすい。

公式表記は「わたしは、奈良派。」。近鉄グループホールディングスが2017年から展開している観光プロモーションであり、歴史的な団体や特定の政治的立場を意味するものではない。

始まりは2017年3月。奈良の魅力を再発見する広告だった

2019年4月のJタウンネットによる近鉄への取材記事では、キャンペーンは2017年3月に始まったと紹介されている。当初の広告では、奈良公園の鹿と桜、興福寺の阿修羅像などがメインビジュアルとして使用された。

近鉄が表現しようとしたのは、旅人の視点から感じられる奈良独特のゆったりとした空気感だった。歴史的建造物や有名観光地を紹介するだけではなく、奈良を訪れたときに感じる穏やかな時間そのものをブランドの中心に置いたのである。

このコンセプトには、奈良という地域の特徴がよく表れている。京都のように寺社や歴史的建築が集中する観光地を巡る楽しさとは別に、奈良には広い自然の中で古代の遺跡と向き合える魅力がある。

2019年の取材では、近鉄側も当初は近隣の有名観光地である京都を意識した面があったと説明している。一方で、奈良と京都にはそれぞれの魅力があるという考えも示していた。

「わたしは」という一人称に込められた意味

このキャンペーンで印象的なのは、「奈良に行こう」や「奈良を観光しよう」ではなく、「わたしは」と語りかける表現だ。

観光客に対して一方的に観光名所を紹介するのではなく、実際に旅をした人自身が奈良の魅力を発見し、自分の言葉で奈良を好きになっていく。そんな参加型のイメージが生まれる。

2024年秋からは杏さんがイメージキャラクターに就任。近鉄の発表では、杏さんという「わたし」を通じて奈良の歴史や文化、人々との交流を描き、少しずつ奈良派になっていく姿を表現すると説明されている。

つまり、奈良派とは最初から奈良に詳しい人だけを指す言葉ではない。初めて訪れた人が、旅を通じて奈良を好きになる過程まで含めたブランドメッセージなのだ。

【2026秋の杏さんCMを解説】飛鳥・藤原編の内容と「青い口笛」の正体

2026年秋の「わたしは、奈良派。」は、世界遺産登録を祝う特別なキャンペーンとして展開されている。

近鉄グループホールディングスは2026年8月5日に特設サイトとCM動画を公開。テレビCMは8月8日から関東・中部・関西エリアなどで順次放映された。

杏さんが巡る3つの歴史スポット

今回のテーマは「飛鳥・藤原の宮都」。日本の古代国家が形づくられていった時代の舞台を、杏さんが実際に巡る構成だ。

紹介される主なスポットは次の3か所。

  • 石舞台古墳:巨大な石がむき出しになった飛鳥を代表する古墳。
  • 橘寺:聖徳太子誕生の地と伝えられる寺院。
  • 藤原宮跡:日本初の本格的な都城である藤原京の中心となった場所。

今回のCMが興味深いのは、奈良の有名観光地を単純に並べるのではなく、古代日本の成立という一つの歴史的な流れに沿ってスポットを紹介している点だ。

古墳、寺院、宮殿跡という異なる種類の遺跡を巡ることで、当時の権力、信仰、政治制度がどのように結びついていたのかを想像できる。

杏さんはどんな人物?キャンペーン起用の背景

杏さんは1986年4月14日生まれ、東京都出身。2001年にデビューし、モデルや俳優として幅広く活動してきた。

代表的な出演作品には、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」、日本テレビ系「花咲舞が黙ってない」、フジテレビ系「競争の番人」などがある。

2022年には国連WFP親善大使に就任。同年から日本とフランスの二拠点生活をスタートさせている。旅や文化に関する発信も行っており、今回の観光キャンペーンでは、旅人として奈良を発見していく役割を担っている。

CM曲「青い口笛」は大橋トリオの楽曲

「わたしは、奈良派。」のCMで流れる音楽を担当しているのは、音楽家の大橋トリオさん。楽曲名は「青い口笛」だ。

2024年10月に放送された杏さん出演の初TVCMでは、CMのために書き下ろされた楽曲として紹介された。2026年現在の近鉄公式キャンペーンサイトでも、大橋トリオさんと「青い口笛」が音楽として掲載されている。

大橋トリオさんは、歌唱だけでなく、楽器演奏や作曲、編曲、映画・ドラマ音楽なども手がける音楽家。2026年3月にはアルバム「A BAND」をリリースしている。

映像の中で歴史ある風景や自然を見せる一方、音楽には現代的で親しみやすい雰囲気を持たせている。奈良の古さを堅苦しく見せず、今の自分が訪れたい場所として伝える演出になっている。

【2026年7月26日に世界遺産登録】飛鳥・藤原の宮都とは何か?

2026年秋のキャンペーンを理解するうえで欠かせないのが、「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産登録だ。

2026年7月26日、韓国・釜山で開催された第48回ユネスコ世界遺産委員会で、日本政府が推薦していた「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産一覧表への記載が正式に決定した。文化庁と外務省も同日、決議内容を公表している。

19の構成資産が伝える日本の古代国家の成立

「飛鳥・藤原の宮都」は、奈良県の橿原市、桜井市、明日香村にまたがる19の構成資産から成る文化遺産だ。

対象となるのは、6世紀末から8世紀初頭にかけて政治と文化の中心だった飛鳥・藤原地域の遺跡群。宮殿・官衙跡、仏教寺院跡、墳墓という3つの種類の遺跡によって、古代日本の国家形成を立体的に示している。

大陸や朝鮮半島との交流を通じて、新しい政治制度、建築技術、文化を受け入れながら、日本独自の中央集権体制が成立していく過程が評価された。

ここで重要なのは、単に古い寺や古墳が残っていることだけが登録の理由ではないという点だ。複数の遺跡が互いに関連し、古代国家がどのように形づくられたかを示す一連の歴史的証拠になっている。

飛鳥から藤原へ、そして奈良・京都へ

世界遺産を構成する二つの宮都には、それぞれ異なる役割があった。

飛鳥の宮都は588年から694年、藤原の宮都は694年から710年にかけて展開した。飛鳥では宮殿に政治権力が集まり、統治機能が段階的に整備されていった。続く藤原では、宮殿内に大極殿や朝堂院、内裏、官衙群などを集約する本格的な都城が形成された。

この都市計画は、その後の平城宮、さらに平安宮へと続く日本の都づくりの出発点となった。奈良と京都は別々の歴史を持つ観光地であると同時に、古代から続く日本の都の変遷という一本の線で結ばれている。

キャンペーンと世界遺産を結ぶ人物・場所・企画の関係

2026年秋の主要な関係を整理すると、次のようになる。

エンティティ 関係・役割 2026年の注目ポイント
近鉄グループ キャンペーン主催 2017年から「わたしは、奈良派。」を展開
杏さん イメージキャラクター 2026年秋は飛鳥・藤原エリアを紹介
大橋トリオさん CM音楽担当 「青い口笛」を公式サイトに掲載
飛鳥・藤原の宮都 世界文化遺産 2026年7月26日、19の構成資産が登録
JR東海「いざいざ奈良」 共同プロモーション 奈良県とともに東京駅で記念展示を実施
石舞台古墳・橘寺・藤原宮跡 CMの主要な舞台 古墳・寺院・宮都という異なる歴史を体験できる

この関係を見ると、2026年秋の企画は単なる広告更新ではないことが分かる。世界遺産登録という大きな出来事を契機に、鉄道会社、観光事業者、自治体、地域の歴史資産を一体的に紹介する取り組みとなっている。

【実際に行きたい3スポット】石舞台古墳・橘寺・藤原宮跡の見どころ

杏さんのCMを見て奈良へ行きたくなった人にとって、特に注目したいのが3つの撮影・紹介スポットだ。それぞれ歴史的な性格が異なり、同じ飛鳥・藤原エリアでも違った体験ができる。

1.石舞台古墳|約2300トンの巨石が残す古代の技術

石舞台古墳は、明日香村を代表する史跡の一つ。巨大な石が露出した独特の姿で知られ、国の特別史跡にも指定されている。

最大の特徴は、墳丘を覆っていた盛り土が失われ、石室の天井部分が外から見える状態になっていること。通常の古墳では内部の石室を外から確認できないが、ここでは巨大な石を組み上げた構造を直接見ることができる。

明日香村観光サイトの解説によれば、石室を構成する石は30数個。天井石だけで約77トン、石室全体の巨石の総重量は約2300トンと推定されている。

被葬者については確定していないものの、飛鳥時代の有力豪族・蘇我馬子の墓という説が有力視されている。『日本書紀』に登場する桃原墓との関係も研究されてきた。

石室内部に入ることもできるため、外から眺めるだけでは分からないスケールを体感できる。1400年前の人々が、これほどの巨石をどのように運び、積み上げたのか。現地に立つと、古代の土木技術への興味が自然と湧いてくる。

観光情報:営業時間は9時~17時、最終入場16時45分。個人料金は大人500円、小学生から高校生200円。未就学児は無料。年中無休。料金や利用条件は変更される場合があるため、出発前に最新情報を確認したい。

2.橘寺|聖徳太子誕生の地と伝わる歴史ある寺院

橘寺は、明日香村橘にある聖徳太子ゆかりの寺院だ。寺の公式案内では、572年に現在の橘寺の地で聖徳太子が誕生したと伝えられている。

父は後の用明天皇となる橘豊日命、母は穴穂部間人皇女とされる。出生地については歴史的な伝承として語り継がれており、橘寺はその記憶を現在に伝える場所となっている。

見どころの一つが二面石。善と悪という人間の二つの側面を表現していると伝わる石造物で、飛鳥時代の信仰や思想を考えるきっかけになる。

また、往生院の天井を彩る花の天井画も見逃せない。近鉄のキャンペーン公式サイトでは、現代作家による260点の花々を描いた天井画が紹介されている。

石舞台古墳が権力者の存在と古代の土木技術を伝える場所なら、橘寺は仏教や信仰、聖徳太子にまつわる歴史を感じられる場所だ。同じ飛鳥の地にありながら、異なる視点から古代を体験できる。

観光情報:寺の公式案内では、2026年4月1日から大人・大学生の入山拝観料が500円に改定された。小学生・中学生・高校生の料金は変更なしとされている。

3.藤原宮跡|大和三山を背景に広がる古代の都

藤原宮跡は、現在の橿原市に位置する特別史跡。694年に遷都された藤原京の中心施設である藤原宮が置かれていた場所だ。

藤原京は、日本で初めて本格的な条坊制を採用した都城として知られる。大極殿や朝堂院などが設けられ、政治や行政の中心として機能した。

現地では、大和三山に囲まれた広大な景観を楽しめる。建物そのものは往時の姿を残していないが、かつてこの場所に大規模な宮殿と都市が広がっていたことを想像すると、風景の見え方が変わってくる。

加えて、藤原宮跡は季節の花の名所としても人気がある。橿原市の案内によると、秋ゾーンのコスモス畑は約2万4000平方メートル。4種類、約240万本のコスモスが植栽されている。

2026年10月30日更新の開花情報では、北側エリアは散り始め、南側エリアでは散った花が目立つ状況。10月上旬から下旬が例年の見頃で、訪問するなら開花情報を確認しておきたい。

春には菜の花と桜、夏にはハナハス、秋にはコスモスと、季節ごとに景色が変わる。歴史を学ぶだけでなく、自然の中でゆっくり過ごしたい人にも向いている場所だ。

3スポットを巡る際の交通手段

飛鳥エリアでは、近鉄橿原神宮前駅東口または飛鳥駅を起点に、奈良交通の明日香周遊バス「赤かめ」を利用できる。石舞台古墳は「石舞台」停留所からすぐの場所にある。

明日香村では2026年9月から2027年3月までの周遊バス時刻表も公開されている。バスの便数には限りがあるため、訪問順を決めてから時刻を確認するのが効率的だ。

一方、藤原宮跡は橿原市側に位置し、近鉄耳成駅や畝傍御陵前駅から徒歩約30分。大和八木駅からコミュニティバスを利用し、橿原市藤原京資料室で下車する方法もある。

明日香村では2026年10月14日から2027年2月10日まで、三輪電動シートボードのシェアリングサービス導入実験も実施されている。近鉄飛鳥駅前、石舞台、奈良県立万葉文化館の3か所がポートとなり、20分300円、3時間1000円、6時間2000円で利用できる。試験的な取り組みのため、利用条件を事前に確認したい。

【近鉄とJR東海がコラボ】いざいざ奈良との共同企画と2026年秋の最新情報

2026年秋の「わたしは、奈良派。」で話題になった企画の一つが、JR東海の奈良観光キャンペーン「いざいざ奈良」と奈良県を加えた3者共同プロモーションだ。

東京駅に石舞台古墳の1/2スケール模型が登場

2026年8月17日から30日まで、JR東海の東京駅イベントスペース、八重洲コンコースで「神秘の石舞台古墳、出現。」と題した展示が行われた。

目玉は、石舞台古墳を実物の1/2スケールで再現した展示。現地に行かなければ分かりにくい巨石古墳の迫力を、東京駅という多くの人が行き交う場所で伝える企画だった。

加えて、「わたしは、奈良派。」の杏さんと「いざいざ奈良」のイメージキャラクターである鈴木亮平さんからのお祝いメッセージも展示された。

この展示は8月30日で終了しているが、首都圏の人に奈良の世界遺産を知ってもらうための象徴的な企画となった。

「いざいざ奈良」は2022年スタート

JR東海の「いざいざ奈良」は、2022年5月に始まった奈良観光キャンペーンだ。

「いざいざ」という言葉は、万葉集や古事記にも見られる、人を誘う意味を持つ「いざ」を繰り返した表現。奈良への旅に出かけようという思いが込められている。

近鉄の「わたしは、奈良派。」が旅人自身の共感や愛着を表現するのに対し、「いざいざ奈良」は実際に奈良へ出かけるきっかけをつくるメッセージと捉えられる。

2026年の共同企画は、両者が競合するのではなく、それぞれのブランドを生かして奈良観光を盛り上げる取り組みだった。

2026年10月30日時点の奈良観光最新情報

秋の奈良を訪れるなら、藤原宮跡のコスモス情報も確認したい。橿原市の10月30日付発表では、北側エリアで花が散り始め、南側エリアでは散っている花が目立つ状況となっている。

また、2026年10月17日・18日には藤原宮跡でコスモスマルシェが開催され、地域の特産品販売や観光PRなどが行われた。世界遺産登録後の地域振興と観光を結びつける取り組みとして注目された。

2026年秋の観光では、景色だけでなく、世界遺産登録後の地域の取り組みや交通の変化にも目を向けたい。特に明日香村は、公共交通の利用や地域の歴史景観を守るための来訪マナーを呼びかけている。

【京都派と奈良派はどっち?】観光スタイルと魅力を徹底比較

「私は奈良派」という言葉を調べる人が気になるのが、京都派との違いではないだろうか。

どちらも日本を代表する歴史観光地だが、旅行中に感じる魅力には違いがある。

京都は街歩き、奈良は歴史と自然を味わう旅

京都の魅力は、寺社建築、伝統文化、町家、庭園、食文化などが都市の中に集積していること。寺院巡りと買い物、飲食店での食事を組み合わせた旅行を楽しみやすい。

奈良は、古墳や宮殿跡、寺院と自然景観が一体となった場所が多い。飛鳥・藤原エリアでは、遺跡の周囲に広がる田園や山並みも旅の魅力になる。

京都が歴史的な建築物や町並みを連続して楽しむ都市型観光なら、奈良は広い空間の中で古代の歴史と向き合うフィールド型観光という違いがある。

旅行目的別に見る京都派・奈良派

  • 京都派に向いている人:寺社建築、庭園、伝統工芸、和菓子、町家、都市型の食べ歩きを楽しみたい人。
  • 奈良派に向いている人:古墳、古代史、仏教文化、自然景観、静かな散策、歴史の背景を深く知りたい人。
  • 両方を楽しみたい人:京都で平安時代以降の都の文化を感じ、奈良でその前段階となる飛鳥・藤原の歴史をたどりたい人。

ただし、これはあくまで旅行スタイルの違いだ。京都にも自然豊かな場所はあり、奈良にもにぎわいのある観光エリアや商店街がある。

近鉄側も2019年の取材で、奈良と京都には「それぞれの良さがある」という趣旨を説明していた。どちらかを選ぶことが、もう一方を否定することにはならない。

むしろ、飛鳥・藤原の宮都が世界遺産になった2026年は、奈良と京都を一続きの歴史として理解する絶好の機会でもある。

【プロの結論】2026年の「わたしは、奈良派」が伝える観光の新しい価値

今回のキャンペーンで注目したいのは、世界遺産登録を単なる観光客誘致の材料として扱っていないことだ。

石舞台古墳、橘寺、藤原宮跡という3つの場所には、それぞれ異なる歴史がある。権力者の墓、聖徳太子にまつわる信仰、中央集権国家の成立を示す宮都。これらをつなぐと、日本の古代史が一つの物語として見えてくる。

世界遺産登録で終わらない地域観光が重要

世界遺産への登録は、地域にとって大きな節目だ。しかし、登録されたからといって、遺跡の保存や観光環境の整備が自動的に完成するわけではない。

飛鳥・藤原の宮都は19の構成資産が広い地域に点在する。来訪者が特定の場所だけに集中しないよう、周辺の歴史資産や地域文化を含めて理解してもらうことが、長期的な観光振興につながる。

近鉄の継続的なプロモーションとJR東海の共同企画は、鉄道を利用した広域観光の入口として機能する。一方、現地では自治体や観光団体が交通手段や見学環境を整える。広告、交通、文化財保護が連携することに意味がある。

「奈良派」に向いている人、向いていない人

奈良観光は、短時間で有名スポットを大量に回りたい人よりも、一つの場所に時間をかけ、歴史や風景をじっくり味わいたい人に向いている。

特に飛鳥エリアでは、遺跡同士が離れているため、移動時間を含めた計画が必要だ。バスの本数や徒歩時間を考えずに訪れると、見学時間が不足する可能性もある。

反対に、古代史に詳しくなくても楽しめるのが奈良の魅力でもある。石舞台古墳の巨石の迫力、橘寺の天井画、藤原宮跡の広大な景色は、専門知識がなくても印象に残る。

歴史を深く学びたい人にも、自然の中で気分転換したい人にも、奈良は異なる楽しみ方を提供してくれる。

【「わたしは、奈良派。」の意味・観光】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:「私は奈良派」とはどういう意味ですか?
A1:奈良の歴史や文化、自然、雰囲気が好きで、奈良を好む人という意味で使われる表現です。正式には近鉄グループの観光プロモーション「わたしは、奈良派。」として知られています。

Q2:「わたしは、奈良派。」はいつから始まったのですか?
A2:2017年3月に始まった近鉄グループの奈良観光プロモーションです。2024年秋からは杏さんがイメージキャラクターに起用され、2026年秋には第五弾となる飛鳥・藤原編が展開されています。

Q3:2026年秋のCMに出演している女優は誰ですか?
A3:俳優の杏さんです。2024年秋からイメージキャラクターを務めており、2026年秋のCMでは石舞台古墳、橘寺、藤原宮跡などを巡っています。

Q4:奈良派のCM曲「青い口笛」は誰の曲ですか?
A4:大橋トリオさんが制作した楽曲です。2024年に放送された杏さん出演の初TVCMでは、CMのための書き下ろし曲として紹介されました。

Q5:飛鳥・藤原の宮都はいつ世界遺産になりましたか?
A5:2026年7月26日です。韓国・釜山で開催された第48回ユネスコ世界遺産委員会で登録が決定しました。19の構成資産から成り、橿原市、桜井市、明日香村にまたがっています。

Q6:石舞台古墳の被葬者は蘇我馬子ですか?
A6:蘇我馬子の墓という説が有力ですが、被葬者は特定されていません。巨大な石室と約2300トンと推定される巨石群が見どころです。

Q7:藤原宮跡の秋の見どころは何ですか?
A7:約2万4000平方メートルの敷地に植えられた約240万本のコスモスです。例年10月上旬から下旬が見頃で、2026年10月30日時点では北側が散り始め、南側は散った花が目立つ状況です。

Q8:「いざいざ奈良」と「わたしは、奈良派。」は同じキャンペーンですか?
A8:別々の観光キャンペーンです。「わたしは、奈良派。」は近鉄グループ、「いざいざ奈良」はJR東海が展開しています。2026年8月には奈良県を加えた3者で東京駅の共同展示を実施しました。

まとめ:2026年は飛鳥・藤原から奈良の魅力を再発見する年

「わたしは、奈良派。」は、2017年から近鉄グループが続けてきた奈良観光プロモーションだ。奈良独特のゆったりした空気感を伝えるメッセージとして始まり、2024年秋からは杏さんを起用したTVCMによって、さらに広い層へと発信されている。

2026年秋の大きなテーマは、7月26日に世界遺産登録が決定した「飛鳥・藤原の宮都」。石舞台古墳、橘寺、藤原宮跡を巡ることで、日本の古代国家がどのように形づくられていったのかを現地で感じられる。

東京駅で実施された「いざいざ奈良」との共同展示や、大橋トリオさんの「青い口笛」も、今回のキャンペーンを彩る要素となった。

京都と奈良のどちらが優れているかを決める必要はない。華やかな街歩きが好きなら京都、古代の歴史と自然の風景をゆっくり味わいたいなら奈良。両方を訪れれば、日本の都の歴史をより深く理解できる。

「奈良派」という言葉の魅力は、奈良に詳しい人だけのものではない。初めて訪れた人が、歴史や景色、人との出会いを通じて奈良を好きになる。その小さな発見こそが、2017年から続くキャンペーンの根底にある価値なのだ。

2026年は、世界遺産登録をきっかけに飛鳥・藤原の歴史を現地で体験し、自分なりの「奈良派」を見つける旅に出てみてはいかがだろうか。

主な確認資料・情報源

近鉄グループホールディングス公式キャンペーン発表、近鉄「わたしは、奈良派。」公式サイト、文化庁、ユネスコ日本政府代表部、世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会、明日香村観光協会、橿原市、奈良交通、Jタウンネットの取材記事。

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榊原 真央

取材デスクとして10年以上の取材経験。geinou領域の公式発表・配信元の告知を一次情報として確認し、確認できない情報は記事に含めない方針です。

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