今後のうすい百貨店を考えるうえで、注目すべきなのは「地域密着型百貨店」と「体験型商業施設」という二つの方向性だ。
1. 地元企業との協業が新しい収益機会になるか
2026年3月の郡山市との包括連携協定は、今後の方向性を考えるうえで重要な材料だ。地元食品や工芸品の販売、地域限定商品の開発、観光情報の発信など、地域との協業には従来の百貨店販売とは異なる可能性がある。
郡山市内の企業や生産者にとっては販売機会が増え、百貨店にとっては地域の特色を生かした商品を集客につなげられる。両者の利益が一致する仕組みを作れるかがポイントになる。
2. 若年層やファミリー層の取り込み
2023~2024年のリニューアルでは、働く女性やファミリー層を意識した売場づくりが進められた。2026年の「ふくしま推しフェス」も、SNSと体験型企画を組み合わせた新しい集客手法だった。
今後は、従来の百貨店利用者だけでなく、若年層が日常的に訪れる理由を作れるかが課題になる。書店、カフェ、食品、期間限定イベントなど、買い物以外の目的を増やすことも有効だ。
3. 赤字からの収益改善
一方、2026年1月期の純損失は約2億5,060万円に達している。これは将来を考えるうえで見過ごせない数字だ。
地域振興イベントで話題を作ることと、会社全体の利益を安定させることは別の課題である。催事の来場者数やSNSのリーチ数だけでなく、実際の購買額、リピーターの増加、各売場の収益性を改善できるかが問われる。
2026年の受賞企画は販促面で評価された一つの成果だが、それが決算の黒字化に直結したと判断できる資料はない。今後は地域との協業を継続しながら、持続的な収益につなげられるかが焦点になる。
【プロの結論】うすい百貨店郡山の本当の価値と今後の判断基準

2026年11月現在のうすい百貨店は、閉店が正式決定した施設ではない。一方で、経営面に課題を抱えていることも決算公告から読み取れる。営業継続の事実と、財務上の厳しさを両方見ることが大切だ。
今回の情報から浮かび上がるのは、うすい百貨店が単に商品を販売する場所から、郡山の地域産品や文化、観光を発信する場所へと役割を広げようとしている姿だ。
特に、創業1662年という歴史、福島県内唯一の百貨店という立場、郡山市との包括連携、2026年の販促企画の受賞は、同店を理解するうえで重要な要素となる。
ただし、今後の動向を評価する際には、次の判断基準を持っておきたい。
- 営業状況:公式サイトに百貨店本体の営業終了や休業の発表があるか。
- 経営状況:次回以降の決算で純利益や利益剰余金が改善するか。
- 店舗構成:テナントの入れ替えが集客力や売場の魅力につながっているか。
- 地域連携:郡山市や地元企業との企画が継続的な売上につながっているか。
- 顧客満足度:接客、商品構成、イベントへの評価が改善しているか。
歴史ある百貨店を地域に残すためには、伝統を守るだけでは十分ではない。新しい顧客を獲得し、地元企業と協力し、利益を確保する仕組みが必要になる。
うすい百貨店の今後は、郡山市の中心市街地の活性化にも関わるテーマだ。2026年の地域連携や販促活動が、一時的な話題で終わらず、安定した経営と地域のにぎわいにつながるかどうかに注目したい。
【うすい百貨店の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、うすい百貨店は閉店するのですか?
A1:2026年11月2日時点で、百貨店本体の閉店決定や営業終了日は公式発表されていない。公式サイトでは11月の商品情報やイベント案内も掲載されている。ただし、将来の営業継続を保証するものではない。
Q2:うすい百貨店の営業時間と定休日は?
A2:通常の営業時間は10:00~19:00が目安。所在地は福島県郡山市中町13番1号で、JR郡山駅西口から徒歩約5分。休業日や催事による営業時間の変更については、訪問前に公式案内を確認したい。
Q3:うすい百貨店の創業はいつですか?
A3:1662年(寛文2年)に物産問屋として創業した。現在の株式会社うすい百貨店は1970年に設立され、現在の中町再開発ビルにある店舗は1999年にオープンした。
Q4:うすい百貨店の経営は厳しいのでしょうか?
A4:2026年1月期の決算公告では約2億5,060万円の純損失が記録されている。前期は約2,108万円の黒字だったため、利益面では厳しい状況がうかがえる。ただし、この数字だけで倒産や閉店を判断することはできない。
Q5:2026年11月に開催されるイベントは何ですか?
A5:全国うまいものまつりが11月8日まで開催されるほか、人気酒造の試飲プロモーションが11月13~15日、10階催事場の「あんことりっぷ」が11月18~24日に予定されている。開催内容や時間は変更される場合がある。
Q6:うすい百貨店は福島県で唯一の百貨店ですか?
A6:郡山市が2026年に公表した包括連携協定の資料では、うすい百貨店は福島県内唯一の百貨店として紹介されている。
参考にした主な情報源
- うすい百貨店公式サイト:会社概要・歴史・イベント・フロアガイド・アクセス情報
- 郡山市公式ウェブサイト:2026年3月31日付の包括連携協定資料
- 官報決算データベース:株式会社うすい百貨店第56期決算公告
- 政経東北:2023年4月のルイ・ヴィトン撤退報道
- 繊研新聞:2023~2024年の店舗リニューアル報道
- 福島テレビ:2026年の食品ギフトセールなどの地域ニュース
- Yahoo!マップ:利用者の口コミ・施設評価