NPBとMLBの記録を合算すると、前田健太の日米通算勝利数は171勝となる。内訳はNPB103勝、MLB68勝だ。敗戦は合計127敗で、両リーグを合わせた奪三振は2,362個に達する。
特に注目したいのは、2026年の楽天復帰によってNPB通算成績が更新された点だ。2025年11月の楽天との契約合意が発表された際、報道では日米通算165勝と紹介されていた。その後、2026年シーズンに6勝を積み上げ、通算171勝となった。
NPBでの103勝には、広島時代の97勝だけでなく、楽天復帰後の6勝も含まれている。したがって、広島時代の成績と現在のNPB通算成績を混同しないことが大切だ。
MLB公式記録では、メジャー通算226試合、68勝56敗、防御率4.20、986回2/3、1,055奪三振となっている。NPBの通算記録と合わせると、日米で積み上げた投球回は2,582回2/3に及ぶ。
【年度別成績一覧】広島・ドジャース・ツインズ・タイガース・楽天での記録

前田のキャリアを理解するには、所属球団と年度別の数字を時系列で見るのが分かりやすい。2008年の広島でのプロ初登板から、2016年のドジャース移籍、2020年のツインズでの好成績、そして2026年の楽天復帰までを整理した。
以下はNPBとMLBの公式個人成績を基準にした年度別の投手成績だ。投球回の「.1」は1/3回、「.2」は2/3回を表す。
出典:日本野球機構(NPB.jp)、MLB.comの個人年度別成績。2022年は右肘のトミー・ジョン手術からのリハビリ期間。投球回は野球の慣例表記。日米通算の防御率は公式のリーグ別通算値ではないため掲載していない。
この表から分かるのは、前田が日本時代には年間200投球回前後をこなす先発投手として活躍し、MLB移籍後も複数シーズンで2桁勝利を記録していたことだ。2020年にはMLBでも防御率2点台を記録し、2026年には再びNPBで防御率2点台前半を残した。
【広島時代からMLBへ】前田健太のキャリアを変えた転換点
広島東洋カープ時代:2008~2015年
前田は2006年の高校生ドラフト1巡目で広島東洋カープに入団した。プロ初登板は2008年。若くして先発ローテーションに定着し、2010年には15勝8敗、防御率2.21、215回2/3、174奪三振という優れた数字を残した。
この年は最多勝、最優秀防御率などのタイトルを獲得し、沢村栄治賞にも選出された。広島のエースとしての地位を確立したシーズンだった。
2012年には防御率1.53を記録。2013年も防御率2.10、15勝7敗と安定した投球を続けた。特に2012年の防御率1.53は、NPB時代の自己ベストとなる数字だ。
2015年も15勝8敗、防御率2.09、206回1/3、175奪三振と好成績を残し、2度目の沢村賞を受賞した。広島時代の8シーズンでは97勝67敗、防御率2.39を記録。2010年代前半のセ・リーグを代表する先発投手の一人だった。
ロサンゼルス・ドジャース時代:2016~2019年
2015年オフ、前田はポスティングシステムを利用してMLB挑戦を決断した。2016年1月にロサンゼルス・ドジャースと契約し、同年からメジャーリーグでプレーした。
MLB1年目は32試合に登板して16勝11敗、防御率3.48、175回2/3、179奪三振。日本での実績を新しい環境でも発揮し、先発投手として存在感を示した。
2017年には13勝を挙げ、2018年は先発とリリーフを兼任。2019年も10勝を記録するなど、起用法の変化に対応した。先発だけでなく、ポストシーズンを含めた救援登板も経験したことは、その後のキャリアにつながる特徴だった。
ミネソタ・ツインズ時代:2020~2023年
2020年2月、ドジャースからミネソタ・ツインズへ移籍した。新天地で迎えた2020年は、前田のMLBキャリアを代表するシーズンとなった。
11試合に登板して6勝1敗、防御率2.70、66回2/3、80奪三振。WHIPは0.75で、MLB全体でも優れた数字を残した。アメリカン・リーグのサイ・ヤング賞投票ではシェーン・ビーバーに次ぐ2位となり、オールMLBセカンドチームにも選ばれた。
2021年は6勝5敗、防御率4.66。シーズン後半に右肘の状態が悪化し、9月1日にトミー・ジョン手術を受けた。2022年はリハビリに専念し、MLB公式プロフィールでも同年は右肘の手術からの回復期間として記録されている。
2023年に実戦復帰すると、21試合に登板して6勝8敗、防御率4.23を記録。長期離脱を経て、メジャーのマウンドに戻った。
デトロイト・タイガース時代:2024~2025年
2023年11月にはデトロイト・タイガースと2年契約を結んだ。2024年は29試合に登板して3勝7敗、防御率6.09。翌2025年もタイガースで7試合に登板したが、8イニングで防御率7.88、勝敗はつかなかった。
その後、2025年5月にタイガースのロースターを外れ、シカゴ・カブス傘下のマイナー契約を経て、8月にはニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結んだ。MLBの公式発表によると、2025年はヤンキース傘下3Aスクラントンでもプレーしている。
こうした移籍とマイナーでの調整を経て、同年11月26日に東北楽天ゴールデンイーグルスとの契約合意が発表された。
【NPB・MLB成績比較】勝敗・防御率・奪三振から見る実力
前田の日本とアメリカでの成績を比較すると、最も目立つ違いは防御率だ。NPBでは2.38、MLBでは4.20となっている。
ただし、この数字だけで日本時代の方が優れていたと判断するのは早計だ。NPBとMLBでは対戦する打者の構成、球場環境、試合運営、打撃の傾向などが異なる。リーグの違いを踏まえた評価が必要になる。
勝敗の比較
NPBでは103勝71敗、勝率.592。MLBでは68勝56敗、勝率.548となっている。どちらのリーグでも勝ち越しており、日米を通じて先発投手として一定の勝利を積み重ねた。
広島時代は年間15勝を3度記録し、MLBでも2016年に16勝、2017年に13勝を挙げた。異なる野球環境で複数回の2桁勝利を達成した点は、前田の実績を評価するうえで欠かせない。
防御率の比較
NPB通算防御率2.38は、非常に安定した数字だ。特に2012年の1.53、2013年の2.10、2015年の2.09は、広島のエースとしての実力を裏付ける。
MLBでは通算4.20だが、2020年には2.70を記録している。サイ・ヤング賞投票2位という評価もあり、メジャーでもトップクラスのシーズンを経験した。
投球回と奪三振の比較
NPBでは1,596投球回、1,307奪三振。MLBでは986回2/3、1,055奪三振を記録している。
MLBではNPBより投球回が少ない一方、奪三振率は高い。NPB通算の奪三振率は9イニングあたり7.37、MLBでは同9.62となる。MLBでの投球は、打者から三振を奪う能力が数字に表れている。
ただし、奪三振率は投球回数に対する割合であり、奪三振の総数とは別の指標だ。総数ではNPBの1,307個がMLBの1,055個を上回る一方、1イニング当たりの奪三振能力ではMLB時代の数字が高い。
このように、勝敗、防御率、投球回、奪三振を分けて比較すると、単純な勝利数や防御率だけでは見えない前田の特徴が分かる。
【2026年最新成績】楽天復帰後の前田健太は6勝4敗、防御率2.19
2026年、前田は東北楽天ゴールデンイーグルスの一員として日本球界に戻ってきた。広島を離れてMLBに挑戦してから、約10年ぶりのNPB復帰となる。
楽天は2025年11月26日に契約合意を発表し、12月16日に入団会見を開催した。前田は会見で、日本で再びプレーすることへの期待を次のように語っている。
「10年ぶりに日本でプレーすることをすごく楽しみにしています。」
出典:東北楽天ゴールデンイーグルス・2025年12月16日入団会見
復帰初年度の2026年は15試合に登板し、6勝4敗、防御率2.19。投球回86回1/3、奪三振74、WHIP1.04という成績を残した。
2026年の注目指標
勝敗6勝4敗
防御率2.19
投球回86.1
奪三振74
WHIP1.04
奪三振率 K/97.71
特に注目できるのは、WHIP1.04と与四球率1.98という数字だ。WHIPは1イニング当たりの被安打と与四球の合計を示す指標で、走者をどれだけ抑えたかを確認できる。1.04は安定した内容を示す数字だ。
月別の成績を見ると、開幕直後の3月は防御率4.50、4月は6.14と苦しんだ。一方、8月は防御率1.42、9月は1.20まで改善している。シーズン後半に安定感を増したことが、年間防御率2.19につながった。
10月5日のソフトバンク戦では6回を投げ、10奪三振、1失点で勝利。シーズン最後の登板でも力強い投球を見せた。38歳で迎えた復帰シーズンに、防御率2点台前半を記録したことは、今後のキャリアを考えるうえでも注目すべき結果だ。
【記録を正しく読むポイント】前田健太の成績で間違えやすい3つの点
前田の通算成績を調べる際には、集計するリーグや年度によって数字が異なるため、いくつか注意したいポイントがある。
1.広島時代の97勝とNPB通算103勝は別の数字
広島時代の成績は97勝67敗、防御率2.39。2026年の楽天で6勝4敗を加えた数字が、NPB通算103勝71敗、防御率2.38だ。
2025年以前の資料では、広島時代の成績を中心に紹介しているものもある。2026年の楽天復帰後の記録を含めるかどうかで、通算勝利数が変わる点に注意したい。
2.MLB通算成績にはマイナーリーグの数字は含まれない
MLB通算68勝56敗、防御率4.20は、メジャーリーグのレギュラーシーズン公式記録だ。2025年にカブス傘下やヤンキース傘下3Aでプレーした際の成績は、この数字には含まれていない。
マイナーリーグでの成績を含めて前田のアメリカでの全投球を調べたい場合は、MLBとMiLBの記録を分けて確認する必要がある。
3.日米通算防御率は勝敗のように単純加算できない
日米通算の勝利数や奪三振数は、それぞれのリーグの数字を足して算出できる。しかし、防御率は自責点と投球回から計算するため、リーグ別の公式防御率をそのまま足したり、平均したりすることはできない。
前田の成績を比較する際には、NPB防御率2.38とMLB防御率4.20をそれぞれ独立した記録として扱うのが適切だ。
また、投球回の表示にも注意が必要だ。例えば「86.1」は86.1イニングという小数ではなく、86回1/3を意味する。投球回を足し合わせるときは、1/3回と2/3回を正しく換算する必要がある。
【前田健太通算成績】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:前田健太の日米通算勝利数は何勝ですか?
A1:2026年シーズン終了時点で171勝です。NPBが103勝、MLBが68勝で、日米通算の敗戦数は127敗です。
Q2:前田健太のNPB通算成績は何勝何敗ですか?
A2:103勝71敗、防御率2.38です。通算1,596投球回、1,307奪三振を記録しています。広島時代の97勝67敗に、2026年の楽天での6勝4敗が加わっています。
Q3:前田健太のMLB通算成績は何勝何敗ですか?
A3:68勝56敗、防御率4.20です。メジャー通算226試合に登板し、986回2/3を投げて1,055奪三振を記録しました。
Q4:前田健太の2026年の成績はどうでしたか?
A4:楽天で15試合に登板し、6勝4敗、防御率2.19、86回1/3、74奪三振でした。WHIPは1.04です。
Q5:前田健太がMLBで最も活躍したシーズンはいつですか?
A5:代表的なシーズンは2020年です。ツインズで6勝1敗、防御率2.70を記録し、アメリカン・リーグのサイ・ヤング賞投票で2位に入りました。オールMLBセカンドチームにも選ばれています。
Q6:前田健太はなぜ2022年に登板していないのですか?
A6:2021年9月に右肘のトミー・ジョン手術を受けたためです。2022年はリハビリに専念し、2023年にMLBのマウンドへ復帰しました。
Q7:前田健太は2026年現在どこの球団に所属していますか?
A7:東北楽天ゴールデンイーグルスです。2025年11月に契約合意が発表され、2026年シーズンからNPBでプレーしています。
まとめ:前田健太の171勝は日米で積み重ねた実績の証し
前田健太の通算成績は、2026年シーズン終了時点で日米通算171勝127敗。NPBでは103勝71敗、防御率2.38、MLBでは68勝56敗、防御率4.20を記録している。
広島時代には2度の沢村賞を受賞し、ドジャースでは先発と救援の両方を経験。ツインズ時代の2020年にはサイ・ヤング賞投票2位という評価を得た。右肘の手術による長期離脱や、タイガース時代の苦しい時期を経て、2026年には楽天でNPB復帰を果たした。
今回の成績で特に評価したいのは、2026年の防御率2.19という数字だけではない。38歳で日本に戻り、シーズン後半に防御率を改善させ、NPB通算103勝まで記録を伸ばしたことにも意味がある。
今後、前田のキャリアを振り返る際には、日米通算の勝利数だけでなく、投球回、奪三振率、WHIP、年度別の防御率にも注目したい。日本で築いた実績とMLBでの挑戦、そして楽天での復帰シーズンまでを合わせて見ることで、前田健太という投手のキャリアの全体像がより明確になる。