「おおごえを出す」という約束を実践するために、役立つ道具が防犯ブザーです。
警視庁の2026年版案内では、大きな声を出せない場合でも、防犯ブザーを鳴らすことで周囲に危険を知らせられると説明しています。
防犯ブザーはどこに付ける?
おすすめは、ランドセルの肩ベルトや習い事用バッグなど、子どもがすぐ手を伸ばせる場所です。
バッグの内側や取り出しにくいポケットに入れてしまうと、緊急時に使えない可能性があります。
次のポイントを確認しましょう。
- 手を伸ばせばすぐに操作できる位置に取り付ける。
- 引きひも式かボタン式か、子ども自身が操作方法を理解する。
- 電池が切れていないか定期的に確認する。
- 実際に音を鳴らして、正常に作動するか確かめる。
- 鳴らした後にどう行動するかも練習する。
防犯ブザーの練習で確認したいこと
防犯ブザーは、持っているだけでは十分ではありません。
実際に使う場面を想定し、次の流れを親子で確認します。
1. 危険を感じたらブザーを操作する。
2. 音が鳴ったら相手から離れる。
3. 人のいる場所や店舗へ移動する。
4. 近くの大人に事情を伝える。
5. 保護者や学校にも知らせる。
京都府警察が2025年12月26日に更新した防犯ブザーの案内では、警察庁の性能基準として、音量85デシベル以上、表示音量の90%以上を20分間以上保持できることなどが紹介されています。
ただし、性能が高い製品でも、子どもが使い方を知らなければ十分に活用できません。製品の性能と、日常的な操作練習の両方が必要です。
「子ども110番の家」も親子で確認する
防犯ブザーと同じくらい大切なのが、危険を感じたときに逃げ込める場所を知っておくことです。
「子ども110番の家」は、子どもが危険に遭遇したときや困ったときに駆け込める、地域の協力拠点です。自治体や教育委員会などを中心に、地域住民や店舗が協力しています。
親子で確認したいのは次の3点です。
- 通学路や遊び場の近くに、どこがあるのか。
- 子ども自身が場所を見つけられるか。
- 実際に困ったとき、入口から入って助けを求められるか。
警視庁は、コンビニや理容室などの店舗も含め、親子で実際に歩いて避難先を確認するよう勧めています。
看板を見つけるだけでなく、普段通る時間帯に利用できる場所なのかも確認しておくと安心です。
【2026年最新】警視庁の子ども防犯対策と家庭・学校の役割

2026年の警視庁の案内で注目したいのは、防犯教育を子どもへの注意喚起だけで終わらせていない点です。
子どもが実際に行動できるようにすることに加え、保護者、学校、地域が情報を共有し、危険を早期に把握する仕組みが重視されています。
警視庁が2026年に示している主なポイント
2026年10月15日更新の「おやこでまなぼう!『いかのおすし』で毎日安全!」では、次の取り組みが紹介されています。
1. 親子で繰り返し確認する
標語を一度教えて終わりにせず、実際にありそうな誘いを想定して、子どもがどう対応するか確認します。
2. 防犯ブザーを日常的に使える状態にする
ランドセルや習い事バッグに取り付け、電池や作動状況を定期的に点検します。
3. 避難場所を実際に歩いて探す
通学路や習い事先までの道を一緒に歩き、コンビニや「子ども110番の家」などを確認します。
4. 小さな声かけ事案も見逃さない
声かけやつきまといが発生した場合、些細なことでも警察への通報と学校への連絡を行うよう呼びかけています。
5. 子どもの変化を見逃さない
子どもがいつもと違う様子を見せたときは、保護者が優しく声をかけ、話を聞くことも大切です。
家庭でできる防犯対策は「外出前の確認」から
警視庁の防犯テキストでは、子どもが外出するときに、誰と、どこで遊び、何時ごろ帰るのかを保護者と約束するよう案内しています。
例えば、次のような確認を習慣にします。
- 誰と遊ぶのか。
- どこへ行くのか。
- 何時ごろ帰るのか。
- 予定が変わったら誰に連絡するのか。
- 困ったときに誰へ助けを求めるのか。
特に、遊び場所や帰宅時間が変わる場合の連絡方法は、子どもが理解できる形で決めておきましょう。
保護者が子どもの行動範囲を把握していれば、帰宅が遅れたときや予定外の移動があったときにも、早く対応できます。
警視庁は、防犯アプリ「デジポリス」やメールけいしちょうなどを通じて、声かけ・つきまとい事案の情報を把握することも勧めています。保護者が地域の情報を確認し、危険な場所を子どもと共有することも防犯対策の一つです。
学校と地域が連携することも欠かせない
学校では、セーフティ教室や防犯指導を通じて、子どもたちに具体的な対応を教えることができます。
一方、家庭では、実際の通学路や生活環境に合わせた練習ができます。
地域の見守り活動や「子ども110番の家」も、子どもの安全を支える重要な仕組みです。
文部科学省が紹介した東京都のセーフティ教室でも、学校、保護者、地域住民、警察などが協力する体制が重視されていました。防犯は子ども一人に任せるものではなく、大人全体で支える取り組みです。
知らない人についていかないと教えるだけでは不十分
「知らない人についていかない」という教え方には、注意したい点があります。
子どもが「知らない人は危険、知っている人は安全」と単純に理解してしまうと、判断を誤る可能性があります。
例えば、顔を知っている大人から突然、車に乗るように言われたり、予定にない場所へ誘われたりした場合です。
そのため、家庭では次のようなルールも伝えておきたいところです。
- 知っている人でも、予定にない誘いにはすぐ応じない。
- 家族からの伝言だと言われても、本人に直接確認する。
- 秘密にするよう求められたら、必ず保護者に話す。
- 相手が怒ったり、急がせたりしても、自分の安全を優先する。
- 断れなかった場合や途中で怖くなった場合でも、すぐ大人に知らせる。
ここで重要なのは、子どもに相手の危険性を見抜く能力を求めすぎないことです。
子どもが迷ったら、その場で判断せずに保護者へ確認する。このルールを家庭内で共有しておくと、行動に移しやすくなります。
【よくある質問】いかのおすしに関するFAQ
Q1:いかのおすしはいつから始まった防犯標語ですか?
2004年度(平成16年度)に東京都教育庁と警視庁によって考案されました。子どもが犯罪被害に遭わないための安全教育の一環として作られ、セーフティ教室などで活用されてきました。
Q2:いかのおすしの考案者は誰ですか?
東京都教育庁指導企画課と警視庁少年育成課による共同考案です。個人の発案者については、公開された取材資料でも特定されていません。
Q3:いかのおすしの5つの約束は何ですか?
「いかない」「のらない」「おおごえを出す」「すぐ逃げる」「しらせる」の5つです。知らない人の誘いを断り、危険を感じたら助けを求める行動を表しています。
Q4:子どもが大声を出せない場合はどうすればよいですか?
防犯ブザーを鳴らす方法があります。ブザーが使えない場合は、近くの店舗や交番など、人のいる場所へ移動して大人に助けを求めるよう教えておきましょう。
Q5:防犯ブザーはどこに取り付けるのがよいですか?
ランドセルの肩ベルトや習い事バッグなど、子どもがすぐに操作できる位置がおすすめです。電池切れや故障を防ぐため、定期的に作動確認をしてください。
Q6:親子でできる防犯訓練はありますか?
通学路で声をかけられた場面を想定し、断る言葉、逃げる方向、駆け込める場所を一緒に確認する練習がおすすめです。実際に「子ども110番の家」や店舗まで歩いてみると、いざというときに行動しやすくなります。
Q7:2026年現在、警視庁はどのような防犯教育を勧めていますか?
2026年10月15日更新の警視庁の案内では、親子で繰り返し具体的な場面を想定すること、防犯ブザーの点検と操作練習、避難先の確認、声かけやつきまとい事案の警察・学校への連絡などを勧めています。
【プロの結論】いかのおすしは暗記よりも「実際に動けること」が大切
「いかのおすし」が2004年に考案されてから、20年以上が経過しました。
短く覚えやすい防犯標語として全国に広まり、2026年現在も警視庁の子ども向け防犯教育で活用されています。
しかし、本当に大切なのは、子どもが5つの言葉を正確に言えることだけではありません。
知らない人から誘われたとき、予定外の移動を求められたとき、怖いと感じたときに、自分の身を守る行動を選べることです。
家庭で取り組みたいのは、次の3つです。
1. 言葉を覚える: 5つの約束の意味を理解する。
2. 行動を練習する: 断る、離れる、助けを求める流れを身につける。
3. 環境を整える: 防犯ブザー、避難場所、緊急時の連絡方法を確認する。
そして、子どもが困ったことを話してくれたときには、まず話を聞き、助けを求めたことを肯定する姿勢が欠かせません。
防犯教育の目的は、子どもに恐怖心を植え付けたり、被害を防ぐ責任を押し付けたりすることではありません。危険を感じたときに逃げてもよい、断ってもよい、大人に頼ってよいと伝えることです。
「いかのおすし」を合言葉に、親子で実際に歩き、話し、練習する。その積み重ねが、子どもの安全を守る力につながります。
2026年も、家庭・学校・地域が一緒になって、子どもが安心して生活できる環境を整えていきましょう。