2021年のカンピオナート・ブラジレイロ(Campeonato Brasileiro Série A)は、アトレチコ・ミネイロが圧倒的な強さを見せ、84ポイントで優勝を飾ったシーズンだ。2位フラメンゴとの勝ち点差は13。フッキが19ゴールで得点王に輝き、守備でもリーグ最少の34失点を記録した。一方、名門グレミオを含む4クラブがセリエBへの降格を余儀なくされた。
2021年5月29日に始まり、12月9日に最終節を迎えた大会は、全20クラブが38試合を戦う長丁場だった。2026年に振り返っても、アトレチコ・ミネイロの復活劇、フラメンゴとパルメイラスの順位、そして残留争いの結末は見逃せない。ブラジルサッカー連盟(CBF)の公式記録と当時の報道をもとに、最終順位、試合結果、得点ランキング、降格の背景を整理する。
【優勝クラブと最終結果】アトレチコ・ミネイロが84ポイントで制した理由

2021年のブラジル全国選手権を制したのは、ミナスジェライス州ベロオリゾンテを本拠地とするアトレチコ・ミネイロだ。
チームを率いたのはクッカ監督。38試合で26勝6分6敗という成績を残し、勝ち点84を獲得した。2位フラメンゴの71ポイントを13ポイント上回り、3位パルメイラスには18ポイントの差をつけている。
優勝が決まったのは2021年12月2日
優勝を決定づけた試合は、2021年12月2日に行われた第32節のバイーア戦だった。
アトレチコ・ミネイロはアウェーのフォンチ・ノヴァでバイーアと対戦。後半に2点を先行される苦しい展開となったが、そこから驚異的な反撃を見せた。
試合の流れは次のとおりだ。
- 後半16分:ルイス・オタビオがバイーアの先制点を記録。
- 後半20分:ジウベルトが追加点を挙げ、バイーアが2点リード。
- 後半25分:フッキがPKを決めて1点差に縮める。
- 後半27分:ケーノが同点ゴール。
- 後半32分:ケーノが再び得点し、3対2で逆転。
この勝利によってアトレチコ・ミネイロは勝ち点81に到達。残り試合でフラメンゴが追いつけないことが確定し、2試合を残して優勝を決めた。
CBFの公式発表とクラブの試合記録にも、この劇的な逆転劇が残されている。特に、フッキのPKとケーノの2得点は、優勝を象徴する場面となった。
2021年は50年ぶりのリーグ制覇
アトレチコ・ミネイロにとって、この優勝は歴史的な意味を持っていた。
クラブがそれ以前にブラジル全国選手権を制したのは1971年。2021年の優勝は、当時の公式発表では50年ぶり、2度目のブラジル選手権制覇として祝われた。
ただし、2026年時点の歴史的なタイトル数には補足がある。
2023年8月25日、CBFは1937年の「カンピオン・ドス・カンピオンイス」もブラジル全国タイトルとして認定した。その結果、アトレチコ・ミネイロは1937年、1971年、2021年の3度のブラジル王者として扱われている。
つまり、2021年の優勝そのものは変わらないが、クラブの歴史における通算タイトル数は後年の公式認定によって更新された。
【カンピオナート・ブラジレイロ2021順位表】全20クラブの最終成績
2021年のブラジル・セリエA最終順位を、勝ち点、勝敗、得点、失点とともに確認しよう。
以下はCBFの公式順位表に基づく全20クラブの成績だ。
| 順位 | クラブ | 勝ち点 | 勝・分・敗 | 得点・失点 | 得失点差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | アトレチコ・ミネイロ | 84 | 26-6-6 | 67-34 | +33 |
| 2 | フラメンゴ | 71 | 21-8-9 | 69-36 | +33 |
| 3 | パルメイラス | 66 | 20-6-12 | 58-43 | +15 |
| 4 | フォルタレーザ | 58 | 17-7-14 | 44-45 | -1 |
| 5 | コリンチャンス | 57 | 15-12-11 | 40-36 | +4 |
| 6 | レッドブル・ブラガンチーノ | 56 | 14-14-10 | 55-46 | +9 |
| 7 | フルミネンセ | 54 | 15-9-14 | 38-38 | 0 |
| 8 | アメリカ・ミネイロ | 53 | 13-14-11 | 41-37 | +4 |
| 9 | アトレチコ・ゴイアニエンセ | 53 | 13-14-11 | 33-36 | -3 |
| 10 | サントス | 50 | 12-14-12 | 35-40 | -5 |
| 11 | セアラー | 50 | 11-17-10 | 39-38 | +1 |
| 12 | インテルナシオナル | 48 | 12-12-14 | 44-42 | +2 |
| 13 | サンパウロ | 48 | 11-15-12 | 31-39 | -8 |
| 14 | アトレチコ・パラナエンセ | 47 | 13-8-17 | 41-45 | -4 |
| 15 | クイアバ | 47 | 10-17-11 | 34-37 | -3 |
| 16 | ジュベントゥージ | 46 | 11-13-14 | 36-44 | -8 |
| 17 | グレミオ | 43 | 12-7-19 | 44-51 | -7 |
| 18 | バイーア | 43 | 11-10-17 | 42-51 | -9 |
| 19 | スポルチ | 38 | 9-11-18 | 24-37 | -13 |
| 20 | シャペコエンセ | 15 | 1-12-25 | 27-67 | -40 |
出典:ブラジルサッカー連盟(CBF)の2021年公式順位表、RSSSFの大会記録。
フラメンゴ2021順位は2位、パルメイラスは3位
優勝候補として注目されていたフラメンゴは、21勝8分9敗の勝ち点71で2位となった。
注目すべきは得点数だ。フラメンゴは69得点を記録し、アトレチコ・ミネイロの67得点を上回っている。しかし、失点はアトレチコの34に対して36。得点力では上回ったものの、最終的な勝ち点では13ポイント差をつけられた。
パルメイラスは66ポイントで3位。20勝を挙げたものの、12敗を喫しており、上位2クラブには届かなかった。
この順位から読み取れるのは、単純な攻撃力だけでは長期リーグ戦を制することが難しいという点だ。38試合を通して安定した勝ち点を積み重ねたアトレチコ・ミネイロが、最終的に最も優れた結果を残した。
【優勝の背景を分析】アトレチコ・ミネイロが強かった3つの理由
84ポイントという数字は、単なる得点力の高さだけでは説明できない。
2021年のアトレチコ・ミネイロには、攻撃と守備の両面で明確な強みがあった。
1. 34失点というリーグ最高水準の守備力
最も注目したいのは守備成績だ。
アトレチコ・ミネイロの失点は38試合でわずか34。リーグ全体で最少だった。
一方、フラメンゴは36失点、パルメイラスは43失点。上位クラブとの比較でも、アトレチコの守備の安定感が際立っている。
勝ち点3を得るためには大量得点が必須というわけではない。失点を抑え、接戦を勝ち切ることができれば、長いリーグ戦で大きな差が生まれる。
2. 攻撃陣もリーグ2位の67得点
守備型のチームだったわけでもない。
アトレチコ・ミネイロは67得点を挙げ、リーグ2位の攻撃成績を残した。69得点のフラメンゴに次ぐ数字である。
得点源となったのはフッキを中心とする攻撃陣。ケーノ、マティアス・サラチョ、ナチョ・フェルナンデスらもチームの攻撃を支えた。
フッキだけに得点を依存するのではなく、複数の選手が攻撃に関与できたことも大きい。
3. アウェーでも勝ち点を積み重ねた
優勝を決めたバイーア戦は、敵地での逆転勝利だった。
アトレチコはホームだけでなく、アウェーでも安定した成績を残していた。クラブの公式記録によれば、バイーア戦での勝利はリーグ25勝目となり、アウェーでの獲得勝ち点は32に達していた。
ホームで勝ち、アウェーで大きく崩れない。この積み重ねが、2位以下との大差につながった。
クッカ監督のチームは、攻撃力、守備力、試合運びの安定性を兼ね備えた完成度の高い集団だった。
【2021年得点ランキング】フッキが19ゴールで得点王に
2021年のブラジル・セリエAで個人タイトルを獲得した選手として、最も注目を集めたのがフッキだ。
アトレチコ・ミネイロの背番号7は、リーグ戦で19ゴールを記録。2位以下に差をつけて得点王となった。
ブラジレイロ2021得点ランキング上位選手
当時のge.globoの得点ランキングを基に、上位選手を整理すると次のようになる。
| 選手 | 所属クラブ | 得点 |
|---|---|---|
| フッキ | アトレチコ・ミネイロ | 19 |
| ジウベルト | バイーア | 15 |
| マイケル | フラメンゴ | 14 |
| アデミール | アメリカ・ミネイロ | 13 |
| ユリ・アルベルト | インテルナシオナル | 12 |
| ガブリエウ・バルボーザ | フラメンゴ | 12 |
| アルトゥール | レッドブル・ブラガンチーノ | 12 |
| イタロ | レッドブル・ブラガンチーノ | 12 |
※同じ得点数の選手は同順位相当。
フッキと2位ジウベルトの差は4ゴール。シーズンを通じて安定した得点力を発揮したことが分かる。
リーグ19得点と年間36得点は別の数字
フッキの成績を調べる際に注意したいのが、19得点と36得点の違いだ。
19得点はブラジル全国選手権での記録。一方、36得点は2021年シーズンにおける全大会合計の数字だ。
CBFの2021年12月15日の発表によれば、フッキはブラジル選手権だけでなく、コパ・ド・ブラジルでも得点王となった。
同じシーズンにブラジル選手権とコパ・ド・ブラジルの両方で得点王となり、さらに両大会で優勝したことは、ブラジルサッカー史でも特筆される実績だった。
ブラジル復帰初年度にこれだけの結果を残したフッキは、アトレチコ・ミネイロの優勝を象徴する選手となった。
【ブラジレイロ2021試合結果】優勝決定戦と最終節の重要な記録
2021年大会の試合結果を振り返ると、優勝争いと残留争いでは、それぞれ異なる意味を持つ試合があった。
優勝を決定づけたバイーア対アトレチコ・ミネイロ
最も重要な試合は、すでに紹介した2021年12月2日の第32節だ。
バイーアが2点を先行しながら、アトレチコ・ミネイロが後半だけで3得点を挙げて逆転した。
この結果によってアトレチコの優勝が決定。残り2試合を残した段階で、ライバルに追いつかれる可能性がなくなった。
最終節では残留争いも決着
12月9日の第38節では、降格圏のクラブにとって重要な試合が集中した。
代表的な結果は次のとおり。
- グレミオ 4-3 アトレチコ・ミネイロ
- フォルタレーザ 2-1 バイーア
- ジュベントゥージ 1-0 コリンチャンス
- フルミネンセ 3-0 シャペコエンセ
- スポルチ 1-1 アトレチコ・パラナエンセ
グレミオは最終節で王者アトレチコ・ミネイロを破ったものの、残留には届かなかった。
ジュベントゥージがコリンチャンスに勝利して46ポイントに到達した一方、グレミオとバイーアは43ポイントでシーズンを終了。勝ち点の差を埋めることができず、両クラブの降格が決まった。
RSSSFの試合記録にも、最終節の全カードと最終順位が記録されている。
【2021年ブラジレイロ降格クラブ】グレミオ、バイーア、スポルチ、シャペコエンセ
2021年のセリエAで降格したのは、以下の4クラブだ。
- 17位:グレミオ(43ポイント)
- 18位:バイーア(43ポイント)
- 19位:スポルチ(38ポイント)
- 20位:シャペコエンセ(15ポイント)
グレミオ降格理由は監督交代とクラブ内部の混乱
最も大きな衝撃を与えたのは、名門グレミオの降格だった。
グレミオは2017年にコパ・リベルタドーレスを制した実績を持つクラブ。2021年も上位争いが期待されていたが、最終的には17位に終わった。
ge.globoが2021年12月11日に掲載した検証記事では、降格の背景として複数の問題が挙げられている。
第一の問題は、レナト・ポルタルッピ監督の退任後に生じた指揮系統の空白だ。
レナト監督は長期間にわたってグレミオのチーム作りを主導していたが、2021年のシーズン途中に退任。その後、後任監督やフットボール部門の責任者が変わり、クラブ内部の意思決定が安定しなかった。
第二の問題は、シーズン序盤の新型コロナウイルス感染拡大だった。
クラブ内で感染者が相次ぎ、開幕戦のセアラー戦では感染中の選手8人が欠場。グレミオは最初の7試合でわずか2ポイントしか獲得できなかった。
第三の問題は、補強とチーム編成の不安定さだ。
ge.globoの分析では、選手補強の失敗、チームの高齢化、ロッカールームの統率不足、選手の売却なども降格につながった要因として指摘された。
つまり、グレミオの降格は単純な戦力不足だけでは説明できない。監督交代、組織運営、感染症による戦力低下が重なったシーズンだった。
バイーアは43ポイントでも残留できず
バイーアは11勝10分17敗、勝ち点43で18位となった。
グレミオと同じ勝ち点だったが、勝利数がグレミオの12勝に対して11勝だったため、順位は下になった。
得点は42、失点は51。得失点差もマイナス9で、シーズンを通して安定した成績を残せなかった。
なお、アトレチコ・ミネイロの優勝を決めた試合で2点を先行したのもバイーアだった。劇的な逆転劇の相手となったクラブが、最終的には降格するという対照的な結果となった。
スポルチは38ポイントで19位
スポルチは9勝11分18敗で勝ち点38。
得点は24にとどまり、攻撃面で苦戦した。失点は37だったが、得点力の不足を補うだけの勝ち点を積み重ねられなかった。
シャペコエンセはわずか1勝で最下位
最も厳しいシーズンとなったのはシャペコエンセだ。
38試合で1勝12分25敗、勝ち点はわずか15。27得点に対して67失点を喫し、得失点差はマイナス40だった。
最下位と19位のスポルチにも23ポイントの差があり、残留争いでは非常に厳しい結果となった。
【2026年視点の総括】2021年大会を読み解く3つのポイント
2021年のブラジレイロを理解するうえで、押さえておきたい要点は3つある。
1つ目は、アトレチコ・ミネイロの優勝が総合力によるものだったこと。
84ポイントという数字に加え、リーグ最少失点の34、67得点、フッキの19ゴールがそろっていた。特定の選手だけでなく、チーム全体の完成度が優勝につながった。
2つ目は、フラメンゴとパルメイラスが上位に入ったものの、優勝には届かなかったこと。
フラメンゴは69得点と攻撃力を示し、パルメイラスも20勝を記録した。しかし、アトレチコの勝ち点84には届かなかった。
3つ目は、勝ち点43でも降格する厳しさだ。
グレミオとバイーアは同じ43ポイントだったが、最終順位は17位と18位。残留ラインの16位ジュベントゥージとの差はわずか3ポイントだった。
長期リーグ戦では、序盤の取りこぼしや引き分けの積み重ねが、最終節の結果にまで影響する。
【カンピオナート・ブラジレイロ2021に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:カンピオナート・ブラジレイロ2021の優勝クラブはどこ?
アトレチコ・ミネイロだ。38試合で26勝6分6敗、勝ち点84を獲得し、2位フラメンゴに13ポイント差をつけて優勝した。
Q2:ブラジレイロ2021の得点王は誰?
アトレチコ・ミネイロのフッキだ。リーグ戦で19ゴールを記録し、2位のジウベルトの15ゴールを上回った。
Q3:2021年のブラジル・セリエAで降格したクラブは?
グレミオ、バイーア、スポルチ、シャペコエンセの4クラブだ。最終順位はそれぞれ17位、18位、19位、20位だった。
Q4:フラメンゴとパルメイラスの最終順位は?
フラメンゴが勝ち点71で2位、パルメイラスが勝ち点66で3位だった。
Q5:アトレチコ・ミネイロはいつ優勝を決めた?
2021年12月2日、第32節のバイーア戦で3対2の逆転勝利を収め、2試合を残して優勝を確定させた。
まとめ:アトレチコの84ポイントが示した2021年のブラジルサッカー
カンピオナート・ブラジレイロ2021は、アトレチコ・ミネイロが勝ち点84を獲得し、圧倒的な成績で制した大会だった。
フッキの19ゴール、リーグ最少の34失点、26勝という数字は、優勝の背景にあったチームの総合力を物語っている。
一方、フラメンゴは2位、パルメイラスは3位。名門グレミオを含む4クラブは降格し、特にグレミオの転落はクラブ運営やチームマネジメントの難しさを示す出来事となった。
2026年に2021年の大会記録を振り返るなら、単に優勝クラブや勝ち点だけを見るのではなく、38試合を通した攻守のバランス、個人得点記録、そして残留争いの勝ち点差まで確認することが大切だ。
84ポイントで頂点に立ったアトレチコ・ミネイロと、43ポイントで涙をのんだグレミオ、バイーア。この対照的な結末こそ、2021年のブラジル全国選手権を象徴する結果だった。
主な参照資料
- ブラジルサッカー連盟(CBF):2021年公式順位表・個人成績・優勝発表。
- ge.globo:2021年得点ランキング、グレミオ降格の検証記事。
- RSSSF:2021年全38節の試合結果と最終順位。
- アトレチコ・ミネイロ公式サイト:優勝決定戦の記録、2021年シーズン記録、1937年タイトル認定。